第19話 ONE OF TEAM
序盤3回を終了し0-0の同点
しかし、樽尚学院はチャンスを作るなど流れをもっていく。
一方函館大翔稜は樽尚学院の辻村からランナー1人しか出せていない。
中盤以降どのように試合が動くか注目が集まる。
準々決勝第1試合も序盤3回を終了。
樽尚学院のペースで試合が始まる。
4回表。樽尚学院は寺尾の前にまたも0アウトランナー1.2塁のチャンスを作る。
しかし、寺尾はゲッツーと三振で切り抜ける。
ここまで60球近くを投げている寺尾。
大柳監督も継投のタイミングを図りつつあった。
4回裏。ここまで樽尚学院辻村の前にランナー1人しか出せないでいる函館大翔稜。
打順は1番和田からだ。
4球目ショートに弱いゴロを放つ。
全力疾走から1塁へヘッドスライディングをするも惜しくもアウトになる。
このプレーにベンチ一同の心が動いた。
「1年がここまで勝つ気でいる。なんとか塁に出たい。」
攻略の糸口を探ろうと試みる。
2番城はスライダーをとらえた。
左中間にボールが飛び初ヒットの2塁打を記録した。
辻村からの初ヒット。しかも得点圏。
これはチャンスだ!と捉えた。
3番小柳は初球をレフト前へ弾き返した。
1アウト1.3塁のチャンスだ。
4番の駒澤に打席が回る。
1年ながら結果を残し、夏にはクリーンナップを打つまでに成長した逸材だ。
3球目芯で捉えたあたりが三遊間に飛ぶ。
しかし、ショートは横っ飛びからセカンドにボールを送り、セカンドはファーストへボールを送る。
駒澤は懸命に走り一塁へヘッドスライディング。
判定は・・・
「アウトー!」最悪な展開のゲッツーに終わった。
初のチャンスを逃した。
その後試合はいいところもなく試合は6回まで終了した。
7回。ここで守備を変えてきた。
ピッチャーを寺尾から黒田にスイッチした。
寺尾はレフトへ。レフトの秋山をライト、ライトの和田をショート、ショートの宮迫が退いた。
黒田は先頭ストレートでセカンドゴロ、2人目をショートゴロ、3人目をサードゴロに抑えた。
7回裏、下位打線から上位に回る打順。
8番秋山がレフト前へヒットを放つ。
9番渡部は初球送りバントを決め、得点圏にランナーを置いた。
和田はバットを少し短く持った。
初球は見逃しストライク。2球目はスライダーを見極めた。3球目アウトコースの真っ直ぐを振り抜いた。
打球はレフトに曲がるように飛んでいく。
レフトはスライディングキャッチを試みて見事に成功した。
進塁打にもならなかった。
2番城に回る。
なんとか先取点をと大柳監督は願った。
初球変化球を見送りボール
2球目スライダーを叩いた。
打球はレフト前に飛んだ。セカンドランナーは3塁を蹴る
レフトからノーカットでホームにボールが送られる。
秋山はホームに全力で突っ込んだ。
判定は「アウト!」
この回も0点に抑えられた。
試合は8回に入る。
黒田はこの回も3者凡退に抑えた。
8回裏。
函館大翔稜はクリーンナップからの打順だ。
大柳監督は攻撃前に「スライダーはレフトに叩くイメージで行こう。投手陣も粘っている。この回でどうにか叩くぞ。」選手達に激を飛ばした。
バッターは3番好打者の小柳。
初球セーフティーバントを試みた。
三塁線に転々とボールは転がり野手陣は撮ることがなく内野安打を記録した。
4番駒澤へ。
ここで攻撃のタイムをかける。
伝令は同じ1年の佐藤だ。「いつも通りのスイングで叩けよ。さっきの打席は緊張からか体が硬くなってるぞ。」駒澤へアドバイスを送った。
初球変化球がワンバウンドしてボール
2球目小柳はスタートを切る。
駒澤はスライダーに手を出すもストライク。
キャッチャーからセカンドにストライク返球がいく。
しかし小柳の足が先に入りセーフになった。
0アウト2塁。絶好のチャンスだ。
3球目。ストレートを駒澤は叩いた。
打球はセカンドの頭上へ。
セカンドはジャンプするも取れない。
打球は右中間に転々と転がる。
2塁ランナー小柳は悠々とホームインし駒澤は2塁に陥れた。
「よくやったぞ!」「ナイスバッティング!」
スタンドから駒澤に声援が届く。
そして、ここで代走だ。
「2塁ランナー駒澤くんに変わりました久保くん。セカンドランナーは久保くん。」俊足の久保が2塁に入った。
5番須田に打席が回る。
初球のストレートを流し打ち。
しかし、進塁打となり1アウト3塁に。
6番寺尾に回った。
初球見逃しボール。2球目大柳監督は仕掛けた。
好打者の寺尾にスクイズだ。
ボールはピッチャーより少し一塁線に飛ぶ。
久保は全速力でホームに突っ込む。
辻村は一塁にしか投げられず追加点が入った。
この回なんと2点。大きな2点だ。
7番黒田は三振に倒れた。
いよいよ9回に。
この試合に勝てば準決勝だ。
代走の久保に変わりサードに佐藤、サードの須田がファーストに回った。
黒田は先頭に2塁打を打たれた。
すかさず大柳監督は守備のタイムを取る。
大楽が伝令に走る。「1点はいい。とりあえず落ち着いて3つ取るぞ。」
ブルペンでは1年の怪物平田輝星が肩を作る。
2番バッターは送りバントで3塁にランナーを進めた。
1アウト3塁。バッターは高杉に回る。
初球高杉は叩いた。
打球は三遊間を破った。1点を返される。
城は何か嫌な予感がした。
続く赤石。3球目を捉えた打球はショートへ。
和田が打球を処理しようとした際、イレギュラーで打球が弾んだ。
なんとヒットになる。1塁ランナー高杉は3塁に陥れた。
1アウト1、3塁。完全に流れは樽尚学院に行っている。
城は大柳監督の方を向く。
「函館大翔稜高校。ピッチャーの交代をお知らせします。ピッチャー黒田くんに変わりまして平田くん。
ピッチャーは平田くん。」
ここで怪物平田が登場した。ここまで連投だ。
今日も投げる予定はなかったがリリーフでの登場だ。
黒田はベンチに下がる際「この完全に樽尚学院に行きかけてる流れを止めたかった。恐らくお前に対して狙っている球が1つだけあった。それは仕方がない事だ。なんとか切り替えて欲しかった。」と声をかけた。
「緊急登板。1アウト1、3塁。とりあえず全力で投げ込んでこい。」城は輝星に声をかけた。
初球インコースに145キロのストレートが決まる。
2球目はファール。3球目アウトコース低めにストレートが決まり見逃し三振。2アウトだ。
6番に回る。初球スライダーを見逃し2球目はストレートでストライク。3球目はファール。
そして4球目アウトコースに逃げるようなスライダーが決まった。空振り三振だ。
軽くグローブを叩いて喜んだ。
怪物はこのピンチにも動じず2者連続三振に打ち取った。
準々決勝第1試合は2-1で函館大翔稜が準決勝に駒を進めた。
夜。ベスト4が出揃った。
函館大翔稜、苫小牧日大、北陵大琴似、札幌福祉大だ。
苫小牧日大はエースの橘を中心に原田と2枚看板を張るチーム。
北陵大琴似は打撃がウリで特に4番山本は2ホーマーを叩いている。
札幌福祉大はアンダースローの天童、3番の福田が鍵を握るチームだ。
抽選の結果、中1日で第1試合に。相手は北陵大琴似に決まった。
「中1日で準決勝。もう勝つことを考えていくぞ。
先発は橋本!お前に任せる。明日は軽く調整をし、後は自由にする。疲れもあると思うがこのまま勝ちに行こう。」大柳監督は選手達に声をかけた。
監督室では「大楽の為にも甲子園に連れて行きたい。しかし、まずは前の戦い。」いろんな展開を予想しながらスタメンを考えていた。
ベスト4の壁を今回は破ることができるのか
中1日で準決勝北陵大琴似戦が始まる。
怪物平田の好リリーフでなんとか勝った函館大翔稜。
準決勝の相手は北陵大琴似。
打撃がウリのチームで4番山本は2本のホームランを放っている。
先発はサウスポーの橋本が言い渡された。
中1日で準決勝北陵大琴似戦。
ベスト4の壁を破ることができるのか。




