第18話 団結力
札幌大第一に延長10回勝利を収めた函館大翔稜。
しかし、ここまで過密日程で投手陣には疲労も見れてきている。
エース不在、疲労もある。
大柳監督はどんな采配をとり準々決勝の樽尚学院戦に挑むのか。
延長10回勝利を収めた。
1年平田がエースらしく、打としても頼もしい存在感を発揮している。
その内容を報道陣は取り上げて注目を集まるようになった。
中1日。投手陣は疲労の色も見えてきた。
エース不在もここに来てチームに響いてきている。
大柳監督、篠原部長、遠藤コーチ首脳陣たちは監督室で話し合いを進めている。
選手達は中1日どのように過ごすのか重要になっている。
樽尚学院は春の大会にコールド勝ちを収めた相手だ。
しかしながら夏は油断もできず函館大翔稜自体アクシデントが起きている状態だ。
夜の自主練。
夏から野手に専念し、4番を任されている寺尾が城に駆け寄った。
「俺だって春まで投手をやっていた。大楽不在で投手陣に迷惑をかけるわけにも行かない。頼む城。俺の球を受けてくれ。」春先まで二刀流だった寺尾が投手の自主練を始めた。
野手陣たちもやれる事はやろうと打ち勝つ野球を目指そうと志していた。
翌日の練習。大柳監督は黒田を先発案に考えを挙げていた。
ブルペンでは黒田を始め、橋本、平田はもちろん
寺尾も投げ込みを行なっていた。
打撃陣は調子をキープしているように見える。
夜のミーティング。
「明日は春の大会でも戦った樽尚学院だ。
コールド勝ちをしたからと調子にならないよう戦うぞ。明日の先発だが、寺尾お前でいく。行けるところまで行ってくれ。ブルペンでは投手陣準備をしておくように。しかしながら、平田は連投、橋本は準決勝で使いたいと思っている。明日は寺尾と黒田この2枚だけで考えている。」大柳監督は投手陣に案を告げた。
そして、ミーティング後監督室に黒田を呼んだ。
「明日はお前を先発で使いたかった。だが、2番手でいく理由として準決勝も投げてもらいたいからだ。これまで過密日程で来ている。決勝まで3つ黒田も必要な戦力。頼むぞ。」と声をかけた。
準々決勝は1日で4試合行う日程だ。
函館大翔稜は第1試合に組まれた。
朝。綺麗なグランドに選手達は集まった。
アップやノックなど体を動かす。
「お待たせいたしました。南北海道大会準々決勝第1試合・・・」試合がだんだんと近づく。
シートノック中にスタメンが発表される
「先攻の樽尚学院・・・」
先発ピッチャーは2年の奥本ではなく3年の左の本格派辻村できた。
春の大会はうちの試合では投げていない投手だ。
「後攻の函館大翔稜。」
1 和田 右 6 1年
2 城 捕 2 3年
3 小柳 中 8 2年
4 駒澤 一 3 1年
5 須田 三 5 3年
6 寺尾 投 7 3年
7 宮迫 遊 16 3年
8 秋山 左 9 2年
9 渡部 二 4 2年
今回はスタメンに宮迫を使ってきた。
ショートの和田をライトに回した。
打順も4番に1年の駒澤を入れた。
朝8:00前
マウンドには寺尾試合開始のサイレンがなる。
初球136キロのストレートが右バッターインコースに決まる。
2球目。ストレートを捉えられた。
打球はライト前に運ばれた。
続くバッターは三遊間を破られた。
ここで函館大翔稜ベンチはタイムをかける。
伝令には大楽だ。「まず1つ。アウトをとる事。落ち着いていこう。」と声をかけた。
キャッチャー城は寺尾に「初球当たりのストレートに狙いを絞ってきてるはずだ。ここは変化球中心に変えよう。」と警戒した。
3番の高杉が左バッターボックスに入る。
初球はスライダーが外れる。
2球目のスライダーは見逃しストライク。
3球目のストレートはアウトコースに外すも振ってきた。
1-2からの4球目。アウトコースに沈むシンカーを初めて投げた。
うまい具合に曲がり空振り三振を奪った。
1アウト1.2塁に変わる。
樽尚学院ベンチに帰った高杉は「恐らくシンカーだ。あんな持ち球があるなんて聞いていないぞ。」驚いた表情をした。
バッターは4番好打者の赤石に回る。
3球目に同じくストレートを投げるもファウルにされる。
城はここで判断した。「狙いはストレートだ。ストレートは見せ球、変化球勝負でいこう。」と決めた。
同じく1-2からの4球目今度はチェンジアップで体制を崩す。
打球はショート正面に宮迫から6-4-3と回りゲッター完成だ。
なんとかピンチを0に抑えた。
1回裏。1年ながら切り込み隊長の和田が打席に向かう。
左の本格派辻村はストレートに球威がありスピードもある。
この夏の大会は防御率1点台と好投しているのだ。
初球から飛ばしてくる。ストレートがアウトコースに外れるも143キロを計測。
続く2球目は142キロ3球目は144キロを計測した。
4球目アウトコースに逃げていくスライダーを捉えるもショートゴロに倒れる。
2番の城は5球目のシュートをとらえるもセカンドゴロ、3番小柳は初球レフトフライに倒れた。
1回はお互い0に終わった。
試合は3回まで流れた。
お互い打者1巡を終えて流れは樽尚学院ペースだ。
3回から2巡目に入る樽尚学院。
一方函館大翔稜は辻村の前にフォアボールのランナー1人のみ。
果たして先制点はどちらのチームに入るのか
中盤に試合は始まる。
樽尚学院の先発辻村は持ち味の打たせてとるピッチングでフォアボール1つのみの好投。
一方、函館大翔稜の先発寺尾は打たれながらも粘り強く投げるピッチング。
流れは樽尚学院に傾いている。
先取点を奪うチームはどちらなのか




