第9話 ベスト4の壁
函館大翔稜、苫小牧日大、白楊学園、帯広商工とベスト4が出そろった。
函館大翔稜は秋の大会で優勝し、センバツにも出場した白楊学園。
毎回の課題ベスト4の壁は乗り越えることが出来るのか
勝負の一線がまもなく始まる。
ベスト4。毎回の壁となっている函館大翔稜。ここまで強豪を撃破し突破してきているだけに勢いはある。
一方白楊学園はエース片山に注目が集まる。秋の大会で優勝し、センバツにも出場。センバツではベスト8までいく快進撃。その時のエースの片山は手も足も出さないようなピッチングを披露した。
今回は片山を温存し、背番号10の片石が鍵を握っている。これまで4試合片山は先発1試合、中継ぎで2試合投げるもトータル5イニングのみ。
白楊学園の名将船越監督は「夏を勝ち上がるには1人では無理な事。片山以外の投手を育てるために春は挑む。」と意気込んでいた。
試合前日の夜監督室では篠原部長と遠藤コーチも集まり話し合いが進められていた。
「明日の先発とスタメン。ベスト4の壁を越えるために必要な策は、、、」
作戦が練られていた。
遠藤コーチは「明日は恐らく片山で先発は来ると予想した方がいいでしょう。片山に匹敵する投手はうちにはいませんが、ショートスターターあるいは調子の良い投手を頭から出した方がいいかもしれませんね。」
大柳監督は遠藤コーチの話に耳を傾けて「わかりました。スタメンと先発投手を発表します。選手達をミーティングルームに集めましょう。」
選手達は晩ご飯を終え、ミーティングルームに集まった。
「明日は皆ご存知の通り秋の優勝校白楊学園だ。展開としてはロースコアで粘る事を考えている。ベスト4は我が校に対して大きな壁だ。前回の春、秋とここで敗れている。大きな山の一戦を勝ちに行くぞ!」
選手達に喝を入れた。
「明日のスタメンは、、、先発は平田!お前で行く。1年だろうが関係ない。調子が1番いいのはおまえだ。打たれても気にするな。行けるところまで全力で投げろ!」
大事な1戦で1年平田を先発起用。
北見北陽戦でも好投をし流れを引き寄せた力はある。
しかし、明日はセンバツベスト8の白楊学園。不安もあるだろう。
試合当日の朝。
輝星はいつも通りの朝を迎え、しっかりと朝食を食べ試合に行く準備も済ませた。
球場に入ると休日とあって沢山の観客がスタンドに駆け込んだ。
また、準決勝からは全校応援。両校共に全校生徒が集まっている。
「本日の第1試合。函館大翔稜vs白楊学園。試合に先立ちました両校のスターティングラインナップを紹介します。」
先攻の白楊学園はエース片山が登場。
打線もこれまでと同じベストオーダーできた。
特に1番佐野は俊足でここまで7盗塁をマーク、4番のプロ注目の高橋は3HRなど甲子園の時と打順は違えどほぼ同じメンバーだ。
「後攻の函館大翔稜高校、、、」
1 和田 遊 6
2 渡部 二 4
3 小柳 中 8
4 城 捕 2
5 佐藤 三 5
6 平田 投 15
7 須田 一 3
8 中村 左 7
9 寺尾 右 18
「この大事な試合で1年が先発!?」「1年が3人!?」「寺尾が野手起用だ!」
スタンドからはザワザワとした。
打線は長打のある二刀流寺尾をスタメンへ。
準々決勝に似たオーダーを組んできた。
シートノックを終え、試合前の準備は終わった。
球場のボルテージは盛り上がりを見せてきた。
両校挨拶を終え、場内アナウンスと共にポジションが紹介される。
球回しも終え、まもなく試合開始となる。
「輝星!まず先頭な!」「いつも通りいけ!」野手陣から声がかけられる。
捕手の城が駆け寄ってきた。
「この試合で先発。任されたからには堂々といこうぜ。1年だろうが関係ない。この球場にいるみんなを驚かせよう。」と声をかけ、肩をポンと叩いた。
晴天の元10:00試合が始まった。
大事な1戦で先発を任された輝星。
相手は片山が先発、甲子園のメンバーとスタメンは変えてこなかった。
この1戦でどんなピッチングをするのか。
チームは注目を集める。




