表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/40

転生

「産まれましたよ!旦那様男の子です」

「本当か!!よかった」


 男はその吉報を聞き、愛する妻の元へ飛んでいった。


「マーシャ!!」

「レオン。男の子よ」


 女は安心したように男の名を呼び、抱いている赤子を見せる。


「あぁよく頑張ったな。教会に名前を授かりに行かないとな」

「そうね。いい名前がもらえるといいわね」


 そういうと、女はいきなり不安そうに顔をしかめて


「ねぇ、この子全く泣かないけど大丈夫かしら」

「そういえばそうだな。大丈夫なのか?」


 すると、両親の不安を感じ取ったかのように泣き出した。


「オギャー!オギャー!」

「あぁ。よかった。」

「お前、父さんと母さんを産まれた早々ビックリさせるなよ」

「あはは。ほんとビックリしたわ」


 2人は笑い合い、そして見つめ合い、キスを交わした。







 ☆


「奥様産まれましたよ。男の子です。」


 そんな声で目が覚めた。どうやら無事転生できたみたいだな。俺を医者らしき人物が、母親らしき人に手渡した。


 母親の顔を見て驚いた。耳が長い。整った顔とエメラルドグリーンの長い髪。色素がないんではないかと思わせる白い肌。だが、病弱という印象はない。


エルフか?じゃあ俺はエルフなのか?今はまだ確かめようがないが、ハーフエルフという線もある。これは父親の顔を見れば分かる。


 すると、俺の考えを読んでいたかのように一人の男が部屋に入ってきた。


「マーシャ!!」

「レオン。男の子よ」

「あぁ。よく頑張ったな」


 俺の母親の名前はマーシャというらしい。このレオンという男が父親か。


 父親の顔を見ると母親の顔を見たとき以上に驚いた。付いていた。犬耳が。思わず倒置法になってしまった。これまた整った顔で茶色の髪を短く切りそろえている。ガタイがよく、身長も結構高い。この両親なら俺はさぞかし美形だろう。


獣人か。初めて見た。まぁ当然だが。


 今まで気づかなかったが、お尻のところに今までなかった感覚がある。

 これは、しっぽ?


 まさか、俺はエルフと獣人のハーフなのか?

 そんなのあるのか?


 そんなことを考えていると。話していた両親の声音が急に不安そうなものに変わった。


「ねぇ、この子全く泣かないけど大丈夫かしら」

「そういえばそうだな。大丈夫なのか?」


 そうか、俺は赤ん坊なのに一回も泣いてない。精神年齢15歳だから当然だが、泣かない赤子は呼吸が上手くできていないとか聞いたことがある。詳しい事は知らないが、一応泣いていた方がいいだろう。


「オギャー!オギャー!」


 …若干棒読みになっている気がする。涙もまったくでない。


 だが、両親のは安心してくれたようで


「あぁ、よかった。」

「お前、父さんと母さんを産まれた早々ビックリさせるなよ」


 大変申し訳ございませんでした。


 すると、笑っていた両親がいい雰囲気になってきて、キスをした。


 おいおい、赤ん坊の前でイチャつくなよ。

 くそ!リア充め。

 …俺もリア充だった。


 詩織に会いたいな。早く大きくなって探しに行かないといけないな。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。次回もよろしければ見ていってください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公最強 恋愛 エルフ 獣人 異世界 勇者 魔王
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ