死んだ理由②、
「は?ちょっと待ってくれ。俺たちが死んだのがあんたのせいってどういうことだ?」
「言葉どうりの意味よ。こっちの手違いでまだ死ぬはずなかったあなたたちが死んでしまったの。本当にごめんなさい。」
あれかラノベとかでよくある手違いで死んじゃったから異世界トリップとかいう奴か。
展開が読めてきたぞ。伊達にオタクやってないんだよ。
「うわぁぁぁぁぁぁん。ごめんなさぁぁぁい」
やばい。俺が黙ってたから怒ったと思って泣き出した。この神様子供かよ。しかし、この一人で考え込む癖なんとかしないとな。詩織にも時々怒られてたし。
「違うって、俺は怒ってるわけじゃないから、泣かないでくれ。な?」
「ほんとに?怒ってないの?」
と、上目遣いで聞いてくる。
「あ、あぁ、怒ってない。」
若干キョドってしまった。どうして女子の上目遣いはこんなに破壊力があるんだ?
平常を装いながら
「詩織は今どうなってるんだ?」
俺が今一番気になっていることだ。俺はどうなってもいいが、詩織だけはなんとかして欲しい。
「詩織さんは今、こことは別の空間で別の神と一緒にいるわ。」
まだ涙声ながらも答えてくれた。
「で?俺たちはこれからどうなるんだ?異世界にチート付きで転生させてくれたりするのか?」
軽い感じで冗談っぽく聞いてみると
「え?なんで分かったの?」
やっぱり当たってたわ。俺スゲェ。
「普通は記憶も消して転生するんだけどね。あなたの死はこっちの不手際だから記憶もそのままで特別な力を授けて、転生させるわ。本当は元の世界に戻してあげれたらいいんだけど、新米の私にはそこまでの力はないの。ごめんね。」
「もう気にしないでくれ。それより詩織はどうなるんだ?同じ世界に転生させてくれるのか?」
詩織がここにいたら絶対にこの神を責めたりしたいだろうからな。
「えぇ、もちろん同じ世界に転生させるわ。でもどこに転生させるかは選べないの。もう一度会いたかったら旅をしてみたらどうかしら。」
どこに生まれるか分からないってことか。世界のどこにいても見つけてやる!
「それで、あなたにあげる力のことなんだけど、とりあえず、魔法神の加護と武神の加護を授けるわ。これは、魔法の扱いなや補正がかかるようになり、戦闘に関する事が上達しやすくなって、限界がなくなるわ。」
「あんた魔法神か武神なのか?」
「違うわよ。知り合いの神に頼んで加護ってもらうようにしたのよ」
「新しい動詞を作るな」
お前はギャルか。
「他に要望はある?」
「いや、特にないな。」
それだけ貰えれば十分だろう。
「じゃあ、最後に自分の名前決めれるけどどうする?」
「名前って親が決めるものじゃないのか?」
「この世界はほとんどが教会で神からの贈り物っていう形で名前を授かるの。私達が決めなくちゃいけないんだけど、最近は大体いつもくじ引きだけどね」
「適当だな。名前はトモヤでいい」
「同じでいいの?」
「あぁ、大丈夫だ」
「じゃあ転生させるわよ」
「詩織はもう転生したのか?」
「いえ、まだ送ってないわ」
「じゃあ詩織に必ず見つけるから待っててくれと伝えてくれるか?」
「分かったわ。じゃあ転生させるわね」
俺は暖かい光に包まれた
読んでくださりありがとうございます。
次回もよければ見ていってください。