初めてのクエスト③
途中で背中の子が起きて、自分で歩いてくれた。
女の人は名前はロアさんというらしい。この森に薬草をつみにきたら、オークに捕まったらしい。少女の名前はアンリ。母親はいないらしく、今向かっている街に馬車で父親と来る途中だったらしい。父親は殺されたと泣きながら教えてくれた。それでも、俺やロアさんが話しかけると少し無理している感じはあるが少しずつ笑ってくれるようになった。
しばらく歩くと川があった。
「少し休憩しましょうか」
「そうだね。そうしようか。」
ロアさんは川で水を飲みに川岸に近づいた。
「アンリは喉乾かないか?」
「うん。乾いた。」
俺達はロアさんに習って水を飲む。
水面に写った自分の顔を見て複雑な気持ちになる。
「やっぱ、俺だよなぁ」
俺の今の容姿は髪と目の色が父親のレオンと同じで茶色になって、少し彫りが深くなっているが誤差の範囲だろう。どこにでもいる日本人の顔だ。違うところはエルフと獣人のハーフなので耳が長い所としっぽがあるところくらいだ。ロアさんに母さんが自分のマントを貸したのでローブを素肌に来ている状態だ。しっぽはローブで隠している。
両親が美形なので、俺もイケメンになれると思っていた時期が私にもありました。
なんで前世と一緒なんだよ!チートくれるなら、少しくらい顔良くしてくれてもいいじゃないか神様!
くだらないことを考えていたら、ロアさんが声をかけてきた。
「トモヤ君。洞窟で一緒にいた人ってお母さんだよね?」
「はい、そうですけど。」
「トモヤ君、しっぽ付いてるよね?お父さんは獣人なのかな?」
「はい。そうですよ。俺はエルフと獣人のハーフです。」
「そうなんだ。綺麗に両方の特徴を受け継いでるのって珍しいね」
「よく言われます。」
エルフや獣人などの所謂亜人と呼ばれる種族達は人間より血が濃く、人間とのハーフは亜人の姿をに寄ることが多いのだが、亜人同士のハーフも血が混ざることは少なく両親どちらかの容姿によることが多い。俺のようにどちらの特徴も持っているというのはレアケースらしい。
いきなり隠していた尻尾を誰かに触られた。
見るとアンリが触っていた。
「モフモフだぁ。あっ!ごめんなさい。勝手に触って」
怒られると勘違いして手を引っ込めてしまったので、頭を撫でてやる。
「しっぽくらい触ってもいいよ。でも触るなら一言言ってね?」
「ほんと?じゃあ触っていい?」
「うん。いいよ。」
しっぽを握ったり、頬ずりしたりして遊んでいた。
☆
街に着いた門番に事情を説明して通してもらった。
ロアさんはこの街の住人だったようで、お礼を言って家に帰って行った。
俺とアンリは冒険者ギルドに向かう。中に入ると、やはり、アンリは怖いらしく手を握る力が強くなった。
受付で説明するととても、驚かれて怒られた。
「普通オークの巣なんてソロで向かう物じゃないんですよ!!なんでそんな無茶したんですか!?」
俺が行ってなかったらこの子は助かってなかったとか、勝てたからいいじゃないかとか、言いたいとこは山ほどあるが言っても逆効果だろう。
「まぁ、無事に帰ってきてくれたのて良かったですけど、今後こういう事はないようにしてください!」
「はい。分かりました。それと、この子ってどうなるんですか?」
「えっと、保護者が亡くなったとのことなので孤児扱いになります。この街の孤児園にギルドが責任もってあずけます。」
「それなら良かった。」
すると、俺の手を握るアンリの手が更に強くなった。
「どうした?アンリ。」
「やだ。」
今までうつむいて黙っていたアンリが小さくつぶやいた。
「ん?ごめん、聞こえなかった。」
「やだ!!お兄ちゃんと一緒にいたい!」
アンリが叫んだことにより酒場が静まり、視線が集まる。それで、またうつむいてしまった。
どうしたものか。俺と一緒にいたいか…別に俺が連れて帰っても、父さんと母さんなら受け入れてくれると思うけど、
「あの、トモヤさん?どうしましょうか」
受付嬢が困ったように聞いてくる。
仕方ない。無理矢理孤児園に連れて行っても馴染めないだろうし
「とりあえず俺が連れて帰ります。今孤児園に連れて行っても馴染めないでしょうから。」
「分かりました。そのようにしておきます。」
ギルドを出て、とりあえずアンリに聞いてみる。
「俺の家来るか?」
「うん!いく!」
即答だった。苦笑しながら、
「そうか。じゃあ行こうか」
☆
「あらあら、その子は連れて帰ってきちゃったの?」
「うん。俺と離れたくないっていうからさ。…家で預れないかな?」
今は家に帰ってきている。アンリは案外すぐに家に馴染んだ。母さんは優しいからすぐに懐いたし、俺のしっぽを気に入ったみたいだから、俺より立派なしっぽを持っている父さんにもすぐに懐いた。母さんと話しているとなりで父さんとアンリが遊んでいる。
「いいんじゃないか?家で預かっても。俺は賛成だぞ。」
「しっぽモフモフ気持ちいい」
アンリは幸せそうにしっぽを頬ずりしている。
「それもそうね。ここにいたいって言ってるならそうさせてあげましょうか。」
「父さん、母さん。ありがとう。」
こうして、アンリがうちの家族になった




