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であったともだち まにゅ

 この世界に住む波動生物たちは、海に浮かぶものを除けば、手足を普段は隠して暮らしています。必要なときだけ、ちょこんと伸ばして、用が済んだらまた隠してしまうのです。


 しかし、おててを出したままで暮らしているもにゅがいないわけではありません。あるときほにゅが出会ったのは少し変わったもにゅでした。ずっと手を出したままというだけでも目立つのに、さらに、工場のロボットのような三本指をしているのです。そして、他のもにゅたちより大きいのです。

 ほにゅも、通常のもにゅと違ってかなり大きいのですが、そのもにゅは、ほにゅよりも大きくて、人間の両手のひらでもこぼれてしまいそうです。


 鳴き声と、その手の形状からマニピュレーターをもじって「まにゅ」と名付けられたその大きなもにゅ。かれは、人を手伝うことが好きです。そのための、体の大きさと指を伸ばした手なのです。10キログラムくらいまでなら1キロ程度の距離を運べます。料理の手伝いで野菜を刻んだり、お菓子作りのためにかき混ぜたりするのも得意です。高い屋根にひっかかったものを壁伝いに取りに行くこともできます。


 逆に、自分のために何かしてもらうのは恥ずかしいようで、じっと待っているように言うと、相手を見つめながらそわそわ、そわそわ。もぞもぞ動いているのを見た相手が根負けして、ついお手伝いを頼んでしまう、不思議な雰囲気を持っています。



 ずっと働きづめというわけではありません。ほにゅや他のもにゅたちと遊んでいる姿は愛らしく、現在の飼い主さんもついつい微笑むのです。ちなみに、飼い主さんは地球から移住した、小さな町工場の社長さんです。家と工場を建て、操業を開始しようとしたときに、試運転中の工作機械を見ながらかれがぽよぽよ跳ねていたのだそうです。

 社長さんによれば、まにゅは、まとまった時間さぼっている社員にだけは厳しいらしく、だれも見ていないと思ってもしっかり目撃していて、お昼の休憩の時に、そっとお弁当のおかずをいくつか取っちゃうんだそうですよ。

(・ω・)manu~は手という意味があるよ。覚えておくとちょっぴりいいことがあるかもしれないよ。

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