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もにゅの島

もう片方の連載をメインとしているので、余計におそくなってしまいましたね。今年中にもう一本くらいは書けると信じたいです。

 とある惑星での(・ω・)は、小さな無人島で生まれました。温暖な気候に、生い茂る果実の森の中、あるときぽつりと、生まれたのでした。


 (・ω・)はしばらく、じぶんやそのほかのものが分かりませんでした。ただそこにぼーっと居て、ぽたりぽたりと雨が降ってきて、なにかから刺激を受けているじぶんという意識があると気付いたのです。


 (・ω・)は知らない間に少しずつ増えました。男も女も無く、ただなんとなく(・ω・)をつくる波動がつくられ、(・ω・)を形作るのです。


 その星に住む人間(に類する者)がこの存在と出会ったのは、まだ人間が星じゅうに広がるより遥か昔でした。


 見つけたのは、地球の人間より背が高くて耳が長い人々の一派でした。ほかの人はみな森や川を中心に町を作りましたが、この一派はほかの人々から離れ、船でくらしていました。

 彼らは海に浮かぶ島々で木の実や果実を取っては、魔法で長持ちするようにして、地上の人々に売るという生活をしていました。ある島で珍しい果物の樹を見つけたひとりが、森の中で迷子になり、何日も帰ってこないので、残った人々は船を出そうか迷いました。


 明けたら出て行こうという最後の夜、それも真夜中に、突然船のそばに何かが届けられました。迷子になった仲間でした。翌日出発した船の中で、迷子になった人は果物の樹のことと、迷子になったときの話をしました。


 迷子になった彼は、こんな小さな島で一日経ってもう帰れないと思って森の中を探索し、洞窟を見つけてそこで暮らすことにしました。そこに食べられそうな実や花や葉を溜めておいたのですが、奇妙なものが葉っぱを食べているところに遭遇したのです。

 彼ははじめ、その饅頭のようなものを追い払おうとしました。しかし、饅頭のなかのひとつが


「ごめんなさい」


と謝ったので、彼は饅頭たちと会話が出来ると思いました。


 彼は饅頭たちと話し合い、船の着いた場所まで案内してもらいました。疲れ果てていた彼は気付かない間に眠ってしまい、船の人々の出発したいという想いを感じ取った饅頭たち……つまり(・ω・)はそのままだと迷子になった彼が置いていかれてしまうと感じ、仲間を呼び、力をあわせ、急いで運んでいったのでした。


 船が出発するとき、そこにはたくさんの(・ω・)が並んで小さな手を伸ばして振り、耳の長い船員たちも、手をおおきく振り返したのでした。


 島からはなれて何日も経ってから、船の中の荷物のすみっこで眠る(・ω・)が見つかり、大陸に渡った第一号となりました。島の果物の輸送が活発になると、何体もの(・ω・)が大陸に入ってきました。それ以来、島だけでなく、大陸でも(・ω・)は生まれるようになりました。その頃には、彼らよりも、長い耳の人々よりも何倍もの数の人間たちが、大陸じゅうに広がっていました。

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