もにゅとエルフのお茶
森の中のエルフ(長耳族とも言う)の町には、喫茶店がたくさんあります。『香茶』が多く、コーヒーやココア、ミルクのみを出すのはとても珍しいことです。お茶といえば『香茶』をさすくらい、この世界では広まっている飲み物です。チャノキに近い仲間の木で、紅茶のように葉を加工して使います。他に根っこや茎を使うお茶もあります。
エルフはお茶の時間が大好きなので、おやつの時間はいつもにぎわっています。さまざまなフレーバーティーが淹れられ、あちこちでお菓子をつまみながら談笑を楽しむ人々が見られるので、ほにゅはエルフの町に寄るときは必ず喫茶店を回ります。町によってはもにゅ人口も多く、もにゅ同士の歓談が多く見られます。もにゅにとってもお茶の時間は楽しいもののようです。
エルフは朝は日の出より少し前に目覚め、明けたら朝食をとり、地球時間で10時前後に一度目のティータイムがあります。仲間と世間話や情報共有など、仕事を含め会話を重視して、すっきりした香りのお茶を淹れます。
昼食をしっかり食べ、午睡の時間を相棒と交互に取り、目覚めたらまたティータイムがあります。目覚ましや、午後からのやる気を出すために、ミント系のようなしゃきっとするものや、とても濃い紅茶(まれに緑茶)のような目が覚めそうなものを飲みます。
そして地球時間で三時~日が落ちる前にまたティータイムがあり、たくさん食べ、たくさん飲みます。夜は小さな果物をひとつなど夜食を少しとる人がいる以外食べない習慣なのですが、飲み物は好みます。
エルフの町では、もにゅ種は人間の町のような対価を支払わなくても、食事を取ったりおふとんで休むことができます。なので、話に夢中になってどんどんお茶を飲んでしまうことがあります。人間なら何度も席をはずさないといけなくなりますし、もにゅでもひとまわりくらい膨らんでしまいます。
そうなると戻るまでしばらくは水分が取れません。弾んで移動することができなくなり、もぞもそと這うように進むことになるので移動が極端に遅くなります。そうなると、人間たちが歩く場所は踏まれて危ないので、仕方がないとばかりにテーブルの端で眠ったりします。
喫茶店によっては、自分で主となるお茶とフレーバーを選ぶことができます。食用の花を浮かべると専用缶に詰めた中身や飲むときの見た目がきれいですがまるごとの花をいれ過ぎると飲みにくかったり香りのバランスが悪かったりします。ミルクティ専用の香辛料やハーブのお茶は配合で味が七色になるので途中の試飲が楽しいものですが、あまり多種類の香辛料を入れると辛くなったり苦くなったりします。慣れないうちはフレーバーは2~3種類にとどめておくのがコツです。
ほにゅは一度欲張って10種類くらいの花びらや葉っぱを入れた結果、砂糖たっぷりの激甘ミルクティにしても人間には飲めないお茶を作ってしまい、当時の同行者にお茶作り禁止令を出されてしまったことがあるのでした。
(・ω・)中国茶のオリジナル作りの店なら一度入ったことがあるのですが面白いです。細かく仕切られたひとつひとつに葉や花が入れられていて、それを好きなように取って渡された缶につめて店員さんに渡すと出来上がりです。紅茶もああいうのできたら楽しいと思うんですよね。
そのときに食用のバラっぽい花のつぼみが気に入っていれました。淹れるときに一度にどさっとつぼみが入ったことがあったのですが、水面が埋まって飲みにくいわ唇に張り付くわになったのです。ああいうのは1杯につきひとつ浮かんでるくらいがいいと思い知りました。
店の場所や名前を覚えていないので機会があってももう同じ店には行けないのが心残りです。




