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概念屋『』  作者: 夕夜鶴
7/10

第六判『生心壱刀』

振り返る 闇夜に動く 殺人鬼


次の日。俺は朝早くから仕事の依頼が入っているため、すぐに仕事服に着替える。

黒いスーツ。つまりは喪服に近い。

俺は自室からリビングに移動する。

リビングのドアを開くと、一気に食欲を増幅させる匂いが押し寄せてきた。

「おはよう」

と、久遠は料理をしながら、こちらを見て言ってきた。

「おはよう」

俺もそう言い、いつも座っている椅子に座る。

「今日はどういった内容の依頼なの?」

と、久遠は言ってくる。

「今日の依頼は、『篠儀 菜季』の護衛というかそんなものだ」

「篠儀菜季?聞いたことのない名前ね」

「ああ、どうやらご令嬢らしいぞ。年収で国が傾くほどらしい」

「へえ~また随分とすごいところから依頼が来たわね」

「ああ、まあこれでもこっちの世界ではやっぱ有名だからな」

「でもなんで行使者何かに依頼したの?そこまですごいところのご令嬢だったら、ボディーガードもかなりすごい人だと思うけれど」

「どうやら、相手が行使者だかららしい。断定はできないがどうやら『鬼流』が殺しに来るらしいしな」

「鬼流・・・あの『第二の類義』の?」

「そうだ。だから用心しなければならない」

そういった時、俺の前に様々な料理が並び始めた。

シャケに、味噌汁。サラダに納豆。そして白いご飯。

「頑張ってね」

そう言いながら、久遠は俺の向かいの席に座る。

「いただきます」

「いただきます」

そう言い、二人とも食事に取り掛かる。

「おいしい?」

と久遠は聞いてきた。

「うん、おいしいよ」

そう言うと、久遠は安堵の表情になる。

「今日、久遠は仕事入っているのかい?」

「うんうん。今日はフリー」

「そうか」

「手伝おうか?その依頼」

「いや、俺ひとりで十分だ。それに、『鬼流』と張り合ってみたい」

そう言うと、久遠はクスクスと笑い始めた。

「ん?なにかおかしなこと言ったか?」

「うんうん」

久遠は首を振った。

「あなたが闘争心溢れる時って、なんていうか・・・かっこよくてね」

「・・・・いきなり何言っているんだ」

なんだか急に恥ずかしくなってしまった。

「いや、結婚してからもそこは変わらないな~って」

「・・・ありがとう」

俺は話題を変えたくて感謝の言葉を言って切り替えることにした。

「ところで、《時間》の情報はなにか手に入ったか?」

そう聞くと、

「ごめん。まだ何も手に入っていない」

「そうか」

《時間》。つまりは千枚時見。

非現実的な存在。世界に逆らう存在なのだ。

それを俺は《目撃》し、殺さなければならない。

「それじゃあ、行ってくるよ」

「うん。いってらっしゃい」

俺は、玄関に向かう。

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