54話:成長と、決意と、鼓動と
水色の色素の薄い、サラサラした髪が風に揺れる。
肌は 他の人よりも白く吹き出物一つなく、美しく、
細い体の下には、日々の努力により引き締まった筋肉がついている。
しかし、珍しいのは目と髪の色は異なること。
彼の目は体の全ての色素を凝縮したような、深い瑠璃色。
その目で見つめられると 何もかも見透かされそうな気持ちになるという。
それが、人々にきいた16歳になった『ソラ=ブライアン』の容姿である。
きっと以前の『ソラ』だったら、間違いなく
その容姿と雰囲気で美少年と言われ 近づきにくさを感じていただろう。
だが、今では容姿よりも ふんわりしている性格が勝り
老若男女構わず、人々から慕われている。
しかし、ソラがもともと変わらずに共通していたことがある。
それは自分の恋愛に対しては とても鈍いこと。
この容姿と性格で 今まで恋人の1人もいないのは奇跡にも近いことだ。
そんなソラは旅に出ることを決意していた。
それは、兄のアルから以前の『ソラ』が吟遊詩人になりたいと
話していたと聞いたことも理由としてあげられるが、
一番の理由はソラという体を通して『キミ』という もう1人の存在を感じた事だ。
『キミ』を探すために、自分という者の答えを知るために
『僕』は町を出て 旅をする事にしたのである。
吟遊詩人をしながら、目的地を決めずに町を渡り歩く。
両親からの了承を得て 明日出発という事が決まってから
僕の心臓は 興奮して うるさい。
『キミ』も同じように興奮しているのかもしれない。




