40話:夜、ソラとの話(アル視点)
アルはソラが出て行った後姿見つめていた。
何処か儚げな俺の弟。
幼い頃は大人っぽい弟を、少しライバル視していた。
しかし、大きくなるにつれて気づく。
ソラは俺を、いや物事を一歩後ろに下がって見ていると。
ソラが1人で旅に出たいと言ったのは正直驚いた。
ソラはこの町で静かに過ごし
生涯を終える様な気がしていたから。
でも、歌いながら世界を見たいとソラが言った時
ソラにとても似合うと思った。
掴みどころのない俺の弟。
空のように、色々な場所に行き漂うのが似合う。
ただ、流れるままに、気の向くままに。
でもそれは、とても孤独だ。
12歳なんて、俺はまだレオや学校の友達と遊んだりしていた。
友達や家族がいない、一人の空気は少し嫌だった。
その一方、ソラは孤独を好む。
いや、わざと1人になっている気がする。
俺は、ソラに誰か一緒に連れていったり
生涯を共にする人を作らないのかと尋ねたかった。
しかし、月光を逆光に浴び
暗く見えないはずのソラの目が、聞くなと言っている様に見えた。
もう、答えは決まっているからと。
ベッドに寝転び、
窓からこちらを見ている三日月を見返す。
雲一つない、静かな明るい夜だ。
胸いっぱいに夜の空気を吸い込み、
目を閉じて
俺は願う。
いつか、ソラが心から気を許せる
そんな人と出会える事を。
俺の何処か儚げな弟。
大切な俺の家族。




