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第17話 婚約者の条件 6

祝・アクセス3000突破ユニーク!!!


ありがとうございます。

プールに行った翌日、大学に泊まり込みをすることになったと言われ、その後忍様とはお会いしていない。


その間、夏くんの「がっそうしようよぉ」攻撃が続き、宿題が捗らず、さすがに今日は合奏している場合じゃないと思い、図書館へ行く準備をしていたら忍様から電話があった。


「さっき家に帰ってきたところなんですが、良かったらお昼一緒に食べませんか?」


「えっと、今日こそは宿題をしなくちゃと思っているんですが」


お昼だけなら前後を図書館で過ごせばいいやと思ったけど、食事のついでにどこかへは遠慮したいなぁと遠まわしに言っているのが通じたかしら?それなら午前中忍様宅で宿題をし、お昼を食べに出掛けた後図書館へ送ってくれると提案して下さった。


ベイエリアにある忍様の家、正確にはマンションですが、そこまでは1時間と少しかかるけど、今日は英語の宿題を片付けることにして、行きの電車の中では単語を調べながら過ごすことに決めた。


行ってみてびっくり、忍様の住んでるマンションは以前テレビCMにもなった。超高級タワーマンション、でも忍様のお住まいは7階だったけど、セキュリティのインターフォンが2回もあるのよ!


1回目の解錠をしてもらってロビーに入ったらそこは「ここはホテルのフロントか何かですか?」と言いたくなるような作り出し、2回目の解錠の後入ったエレベーターホールの表示は32階とか50階とか近所ではありえない高さだった。


行き先が7階で良かったとちょっとだけホッとした。



忍様のお部屋はエレベータから離れた角部屋だった。


玄関前の最後のチャイムを鳴らすとすぐに出て来て下さった。


「いらっしゃい」


先日より更にカジュアルなTシャツとハーフパンツの忍様が現れた。


玄関を入って真っ直ぐに短い廊下がある。突き当たりのドアの向こうに案内してくれた。その手前にある左右に扉があって左側から洗濯機が稼働するグオングオンとう音が聞こえた。


し、忍様が洗濯している!?


実際どうしているかなんてここに来るまで考えたことなかったけど、なんとなく全部まとめてクリーニングとかハウスキーパーさん雇ったりとかのイメージだったからびっくりした。


通された部屋はリビングで大きな黒革のソファーに黒ベースのAVコーナー、ガラスのローテーブル、そしてその奥のベランダに続く大きな窓の向こうには風にたなびく干された洗濯もの。


シャツとかタオルとか白が多くて眩しかった。


どうも水回りが固まっているようで洗濯機の音が聞こえる部屋とリビングの間がキッチンだった。独立したキッチンみたいで間口からチラッとしか見えないけど、調理スペースらしきところに色々大きさの鍋がピカピカになって重なっていて、そのそばに菜箸やら盛り箸らしきものがたくさん縦に入っている何かの空き缶みたいなものが見えた。


忍様、多分料理もするわ・・・


料理をする人って菜箸とか盛り箸をたくさん用意するのよね。まぁ割り箸で代用したりもあるだろうけど、1膳を都度洗って使うんじゃなくて、最終的にまとめて洗う。鍋の種類が多いのも下ごしらえ用とか煮込み用とか使い分けているんだと思う。


萩乃様達に家事関係は同年代の子達よりしっかりと仕込まれているから、出来る人ってなんとなく分かるんだよね。


忍様のキッチンは綺麗に片付いている中にも色々出来そうな気配を感じた。


忍様って、完全に自立しているんだ。


「そのテーブルでもいいけど、椅子がいいならあっちの部屋に僕の机があるから使ってくれていいよ。こっちの部屋と違って狭いしかなり散らかっているけどね。」


そう言ってキッチンの隣りの扉を指した。ローテーブルでもかまわなかったので、リビングで宿題を始めた。忍様はさっき稼働していた洗濯が終了したらしく、ベランダで干していた。


なんだか変な感じだったけど、居心地が悪いというわけではなかった。


洗濯が一段落したらしく忍様が戻ってきた。その手には何か紙袋を携えていた。


「お昼、冷やし中華にしようかと思っているけど、どお?」


どお?と言われても絶対忍様のおごりだろうし、前回のイタリアン同様間違いのないお店をチェック済みだと推察しているので、にこやかに「是非!」と答えた。


「あと、これ」と言って持っていた紙袋を渡してくれた。


中を見たら携帯電話とそれが入っていたらしき箱があった。


「これって」


「桃乃ちゃんのお母さんに聞いたら、まだ持たせてないって聞いたから。僕と出掛ける約束しても研究室の都合で予定が変わることもあるから、それにあって困るものじゃないでしょ?」


「でも・・・」


「あっ、お家の方のご了承は得ているから大丈夫だよ。僕の連絡先は登録しておいたから、自宅とか友達とかの連絡先は自分で作業してね。僕のと同じ機種だからやり方聞いてくれてもいいからね。」


正直携帯は欲しいなぁと思っていた、その上、萩乃様のオッケーが出ているなら・・・


私は忍様と色違いの携帯を受け取った。





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