新・私のエッセイ~ 第174弾 ~ 木幡神社伝説 ~ ぼくの地元の怖い聖地
・・・ぼくの現住所は、皆さんもすでにご存じ、
北関東の、
栃木県矢板市木幡という、典型的な田舎です。
処女作『たからもの』の舞台となっておりまして・・・
その中にも、タイトルにあげている、
『木幡神社』が出てきます。
ぼくの自宅は、国道4号線の裏、
西に1本入ったところにあるのですが・・・
それをさらに西へ行くこと、およそ1キロメートルのところに、
その神社はあります。
・・・歴史は古く、平安時代にまでさかのぼりますね。
神社の社そのものは、室町時代の建築だそうですが、
そこに安置されているご神体のひとつに、
2対の、木彫りのお面がございます。
それが、
『降り面』と『照り面』。
問題は、前者です。
これは、あの有名な関東の地方豪族の血を引く、延暦年間の征夷大将軍、
『坂上 田村麻呂(さかのうえ の たむらまろ)』
が、家来に命じて、
敵の血を、すこしずつ、その木彫りのお面に塗って、赤黒く仕上げた、
いわくつきのシロモノ。
奉納された神社から、この面を引きだすと、
雨が降りだすことから、『降り面』と命名されました。
さらに降り続くと田畑が水浸しになり、困るので、
同じ赤松の木で作られた「照り面」も出来て、農家の人たちに崇められてきたということです。
ぼくも実は、40年以上前の小学生のときに、
特別公開された、この2つのお面を拝観いたしました。
・・・なんとも不気味ですが、
どこか優しい印象も受けましたね。
日照りや干ばつにあえぐ人々を救ってきた、その功と徳の高さや気高さのようなものも、
子供心に感じたものです♪
ただし・・・
この神社は、とても怖い場所です。
大晦日の年越しイベントのお神楽の名物や、初詣のにぎわいは見られるものの、
ふだんは、参拝者もおらず、
杉木立に囲まれた、静寂な空間です。
正月のお参りも、
元旦のみがにぎやかですが、翌、1月2日の夜は、ほとんどお参りをする人もおらず、
ライトアップも消されていますので、
真っ暗闇の中の、個人参拝と化し・・・
まともな神経と感覚の人間では、怖くて、とても近寄れたものではありませんよ。
あの稲川淳二さんもおっしゃっています。
「・・・お寺さんはいいの。仏様だから。でもね、神社は、怖いんだよ! 神様だから、軽んじちゃいけないんだ。」
とね。
・・・だからぼくは、神社の神々に畏敬の念を抱きつつも、
特に何も用事がないときには、
むやみにこの神社周辺には、近づかないようにしております。
ほら、
「さわらぬ神にたたりなし」というじゃありませんか。
m(_ _)m