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1-3

 魔王戦争では、すぐに別々の戦法に乗ったので、戦っている姿を見たことがないが。これじゃあ、生き残るはずだよー。

 

 ヒュン、ヒュン、ヒュン。


「お、お、お! まだ追いかけてくるのかー!!」

「当たり前だー! 王の命だぞーーー!!」


 当たり前だが、騎馬隊の方が俺の足よりも速い。

 俺はヤケになって、鋼炎剣で一秒もしないで飛んでくる矢を、次々と斬り落としていく。

 だが、あっという間にスザンヌたち騎馬隊に追いつかれてしまった。


「ランダル? そんなに戦いに疲れていたのか? 安心しろ。魔王はもういないし。それに、儲かるんだぞ?」

「はい?」

「配信で相当パズると、お前は新たに王国を築くことができるんだ」

 

 スザンヌの一言……。

 それが、俺の貧乏勇者としての人生が終わった一言だった。 


 配信で新しい王国を築く?? 



――――



 ここはニューライズ王国の王城 謁見の間 


 小国なので、些かこじんまりとした謁見の間だった。だが、この国を動かす主要な人物が大勢詰め寄っていた。


「ふむ。勇者ランダルよ。よく来てくれた。そなたにはまた活躍してもらいたいのだ」

「はい! 王様! その前に配信は金になると聞きました!」


 玉座に座るライズ国王が、眉間に皺を寄せながらニッコリ微笑むという。なんとも奇妙な笑顔を見せる。


「ふーむ。それはそなたの働き次第だな。金貨が欲しくば配信せよだ。そなたには相当パズってもらわなければならないのだ。その後、全ての国民が安心して暮らせる王国になれば、余のポケットマネーから小さいが国を一つ与えよう。これ……」

 

 ライズ国王はそう言うと、パンパンと両手を叩いた。すると、側近の王国広報大臣が配信用webカメラ(頭に巻くことができる帯付き)を、豪奢なお盆からライズ国王へ献上した。


「そなたには、勇者の……ゴホンッ! この配信用webカメラ(頭に巻くことができる帯付き)を与えよう」

「光栄であります! では、今から配信へ行ってきます! ……王様! その前に一つ質問していいですか? 俺はずっと、それを頭に巻いての旅をしなくちゃならないのですか?」

「うむ。その通りだ。いつも巻いておれ」

「な?! なななー!! どうか!! 御慈悲をー!!」

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