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1-1


 魔王戦争。

 

 一週間前には勃発していた魔王軍と人類軍との30年も続いていた大戦争だ。


 勇者の俺がいるから、あっけなく魔王戦争では人類側が勝ったのはいい。

 けど、その後は俺は職を失い。

 今じゃ、一文無しだ。


「ま……また、魔王が蘇っていたりして……」 

 

 俺の不吉な予想通りに騎馬隊が、俺の方へ近づいてきた。騎馬隊の先頭には、顔見知りがいた。


「勇者ランダル。国王様がお呼びだ。すぐに王城へ行け……うん?」

「悪い……魔王なら今は間に合ってる……戦争はちっとも金にならないんだよ」

「……何を言っているんだ……そうはいかんぞ。いや、だが。今度は魔王討伐ではなく。魔王城自体に用があるんだ。国王様から魔王城の最奥を配信せよとの命を受けている」

「ふ? へ? 配信?」

「……ふー、そのようだな……」


 俺と共に魔王戦争で戦った仲間の一人だった。

 それも、大戦争でも生き延びた。

 数少ない生き残りの一人。


 女騎士団長のスザンヌが呆れて言った。


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