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リストラ? いえ、金のために勇者辞めたんです!

 ここはニューライズ王国。


 帝都から少し離れた小国を治める元は軍事国家だった。だが、突如、帝都の方角から出現した魔王城によって、否応なく戦火に巻き込まれ、今では魔王こそいないが、ポンコツとなった国。


 時の王。ライズ国王によって、戦争状態だった周辺の国とは急遽、和平や同盟、休戦などが執り行われていた。


 この国には、勇者が一人いた。


 名前は、ランダル。


 まつりごとに疲弊してきたライズ国王は、その魔王も倒した勇者を再びコキ使い。王国広報部と協力し、このポンコツとかした国を復興させようと考えるようになった。


「そうか。配信があったぞ! 魔王の恐怖はまだ人々の心に大きな爪痕となって、根強く残っておる。そこでだ。余は勇者に非常に危険な魔王城へと再び旅立たせ。そこで、勇者にもう安全だということを全国へ配信させるのだ!」


――――


 チュンチョンと雀が鳴く商店街で、俺は果物屋を覗いていた。


 昔、俺は魔王討伐へと旅立って、その時の仲間はとうに各々の故郷へ帰って行ったし……正直、やることがない。朝日が綺麗だなあ。噴水の傍で寝ていた俺は、よく風邪を引かなかったよ。俺の過去ってなんなんだろう? 気づいたら戦場のど真ん中だったし。


 うん。今日も良い気温だ。

 

「あ、おばさん。このリンゴ幾ら?」

「ああ、それは100リンさね」

「安いな……買った。フッ、これが、今日の朝飯さ」

「毎度あり。あんたも苦労するねえ……」


 魔王戦争中。どんどん経済状態の悪化した王国から戦争資金しか貰っていないんで、ラスボスを倒した俺の財布は、どんどん薄くなるばかりだった。

 

 

 三日も経てば、布切れとなってどこかへ飛んでいってしまう運命の俺の財布。


「フッ……」

 

 もう、未練はないぜ。

 

 おばさんが、リンゴを包装している合間に、商店街の東側から数十名の騎馬隊がやってきた。騎馬隊は、その機動力から魔王戦争で活躍していた王国の大事な部隊だ。


 妙だな。あっちの方には、王城しかないはずだ……?

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