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3-11

「よしっ! ソンブ村まで行こうぜ!」


 リルリスが欠伸をしながら、こっちへ歩いて来た。そして、眠気眼ねむけまなこで抗議してくる。


「スーッ……勇者さま。休まないのですか?」

「って、これくらいで疲れていないってー! っていうか、俺は勇者だし、まだ昼だー! 太陽あそこにあるぞ! あそこ!」

「まだ正午っといったところか。ランダルの言う通りだな。じゃ、腹も減っていない私は、ゾンブ村という場所まで部下を連れていくぞ」


 スザンヌがスタスタと騎馬隊を連れていってしまった。


ライズ国王「……」


 ライズ国王も無言になってしまったぞ。恐れ多くも、そう書き込みにある。


「ほら、リルリスも行こうよ!」

「ひつじが~、いっぴき~。ひつじが~~、にひき~」


 リルリスが俯いて抗議しまくりながら、付いて来た。

 いつの間にか、テントは片付けられ、リルリスが背に背負っている。


「うん? 今度は沼を渡らないといけないんだった……」


 ゾンブ村へ行く途中に、大きな沼がある。

 一周間前の魔王戦争では、何度も渡ったんだけど、その時にも……。


 リルリスと一緒に沼地に到達すると、前を騎馬で走っているスザンヌの姿がひゅっと、忽然と消えた。


「うわー!」

「沼の中にー!」

「スザンヌさまが沼に落ちたぞー!」


 前を走る騎馬隊が動揺している。


 いや、違う! きっと、スザンヌは、沼地に引きずり込まれたんだ!

 そう!

 この沼には、大きなゾンビ魚がいるんだった!


 その時、ゾンビ魚がその巨大な体躯が沼底から飛び出す。


ライズ国王「おお、早速であるな。勇者よ、再びの配信の場だ。存分に活躍し、国民を更に安心させるのだ! 余の添い寝係であるリルリスは、憩いの時間の達人だ。よって、リルリスを向かわせるのだ! 沼地で汚れたスザンヌは憩いを必要としているはずだ。と、リルリスにしかと伝えるのだ」


 頭に巻きついた。配信用WEBカメラのライズ国王の書き込みを読みながら、俺は突っ走っていた。


 なんでか、嫌な予感がしてならない。


 スザンヌ!

 無事でいてくれよ! 


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