生きてこそ
生きてこそ今がある。大災害が起きても2~3年も経てば風化してくる。それは日本人だけではなく時の流れと言うものは、人間の記憶を風化させてしまう。我々は大切な事を忘れている。生きているからこそ明日があるのである。
戦争と言う極限状態にある人間を描けばきっと、その本質に目が行く。そう思ったからこそ、こうして飄々と描いて来た訳である。
私は戦後の生まれで、昭和ラスト世代の一人である。幸いにして戦争の経験は無いが、日本は第二次世界大戦以後大規模な戦争を戦う事は無かった。その間には大災害や天変地異による大震災や、甚大なる被害や成長する隣国の軍事的な脅威と対峙してきた。
私の知らない時代に日本が亡国の危機にあった事をどうしても伝えたかった。今日本は岐路に立たされている。少子高齢化社会、原発、年金、増え続ける国の借金。とにかく、日本と言う国家が存続して行く為には、今一度原点回帰する必要がある。私はそう思う。
国を支えるのは軍人だけではない。だが、軍人の生き様を知る事で、日本と言う国家の在り方も見えて来ると思う。学者先生の言う政治論よりも遥かに衝撃的でドラスティックで分かりやすい。生きる為に今何をしなければならないのか?
そうやって積み重ねた今があるからこそ、未来を作れるのである。別に国家がどうとかそんな事を考える必要はない。国家は家の様なものである。誰しもが家に住み、生活をする。家無くして国民は生活できない。その集合体が国家である。生きる為に今何が出来るか?
そしてそれを実現して行く為には、何が必要なのかと言う事を考えるしかない。それは難しい事では無いはずである。いつの時代もこの国の民は協力して国難を乗り越えてきた様に。




