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大和物語~ザ・ビゲスト・バトルシップ~  作者: 佐久間五十六


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大和は燃料を喰う

 とにかくこの大和と言う巨大戦艦は、燃料を喰う。たった一日停泊しているだけで30トンもの重油を消費していた。20ノット航行ならば600トンもの重油を消費する。油を確保し米国にエネルギー安全保障を依存しないと決めて始めた太平洋戦争であったにも関わらず、大和はとんでもない"穀潰し"となってしまっていた。

 いくら国運をかけた史上最大最強の艦船であっても、これでは維持する事すら困難である。設計の段階から燃料を大量消費する事が分かっていたのに、あえて建造・配備を強行した。そこには日本海軍ひいては、日本の為に建造しなければならなかった理由が多くあった。

 大和が完成したのは、開戦直後の昭和16年12月の事であったから、その設計が始まったのは、昭和一桁の時代の事になる。その頃は、まだどの国とも戦争をしておらず、景気も非常に良かった。国家としても成長を遂げ、世界の5大国に数えられる程であった。

 そんな国が、巨大戦艦を保有し連合艦隊の旗艦として、運用したいと思うのは野心的だが、自然な事であった。例え燃料を大量消費する事が分かっていても、日本の国力を内外に示す為には必要不可欠なものであった。現代において、経済大国が軒並み空母やイージス艦を保有したがるのと、原理は同じである。

 軍事力=経済大国と言う図式は、富国強兵政策を実施する国ならば、あるいはその富国強兵政策をとっていなくても、通じる世界の常識である。最も、資源を自国で調達する事の出来ない日本の様な島国が、その様な軍事大国になる事は"無謀"な事であったのかもしれない。

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