酒保開け
日本海軍における酒保とは、今で言う売店の事であるが、酒保開けとは売店を解放せよと言う命令であり、日本海軍兵士にとっては、食事以上に楽しみなイベントであった事は言うまでもない。
「乗組員酒保許す」の命令が出ると、多くの兵士達は煙草や羊羮や酒と言った嗜好品を求めて、多くの列をなした。海軍兵士達は艦上生活が長く、陸地に戻る機会も少なかった為、お金を余していた。余していたと言う表現は適切では無いかも知れないが、海軍兵士は高給取りで有名だった。
酒保開け後に思いっきり使ったとしても、それでも郷里に送金する位の金と身の回りの用を足す位の金は充分にあった。ちなみに酒保が開く時間と曜日は決まっておらず、酒保開けは不定期開催のイベントであった。
それは、戦場に身を置く海軍兵士ならば、分かっている様に、戦闘はいつやって来るか分からない。だからこそ、酒保開けのタイミングも重要であり、艦長の腕の見せ所であったとも言える。
軍隊はとてもストレスのたまる職種である。その為ストレスマネジメントが必要になる。酒保開けや食事で、ストレスマネジメントを行う事は、軍隊においては基本中の基本であると言える。そうした事をしっかりやっていなければ、いざと言う時に指揮命令系統が、きちんと機能しない。
本当の修羅場においては、星の数(階級)も先輩後輩も無視してしまうものだが、それだけは避ける必要があると言える。




