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大和物語~ザ・ビゲスト・バトルシップ~  作者: 佐久間五十六


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甲板整列

 「海軍から甲板整列を引いたら何が残るのであろうか?」

 と言われる程、帝国海軍における甲板整列の伝統は有名であった。甲板整列とは、各部隊の班毎に下士官や古参兵が、若い兵士を露天甲板に並べて気合いを入れるものである。

 気合いを入れると言えば、品の良い言い方であるが、要するに制裁である。帝国海軍においては、同年兵士制裁からバッター制裁まで、幅広く制裁が行われており、主計科では大きな飯しゃもじを使った制裁が行われていた。

 多くの場合制裁は鉄拳制裁が主流であったが、甲板整列時においては「海軍精神注入棒」と言われる大型の棍棒が使われた。また、「尻泣かせ棒」と呼ばれる物もあり、一号から五号まで太さの違う制裁用の道具があった。

 三号棒で太さは直径約10㎝程。四号棒になるとごつごつした物になり、五号棒は鉄の棒であったと言う。現在の海上自衛隊では、この様な体罰に当たる理不尽な制裁は許されておらず、一切禁止されているが、ミスをすれば腕立て伏せや腹筋やスクワットなどペナルティの文化は存在している。

 制裁が行われる様になった経緯は定かでは無いが、制裁によりストレスを発散させていたと考えるのは、自然な事であろう。航海に出れば陸地に上陸する機会も減る。飲んで騒いでストレスを発散出来る陸軍の兵隊とは違い、海軍の兵士は暴力でストレスを発散させていた。元帝国海軍の兵士は、米国よりも上官による制裁の方が遥かに怖かったと証言している。

 勿論、何をされようが上官に手をあげる事は出来ない。だから若く階級の低い若年兵士が制裁の餌食となったのだろう。甲板整列は、言い換えれば見せしめの公開処刑とも言えた。だが制裁があった事で、秩序が保たれていた面も否定する事は出来ず、一概に暴力は駄目とは言えない側面もある。

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