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大和物語~ザ・ビゲスト・バトルシップ~  作者: 佐久間五十六


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箝口令

 帝国海軍の機密案件は6段階にランク付けされる。部内秘→秘→極秘→軍極秘→軍機→国家機密と、機密レベルは上がって行く。戦艦大和はこの中で最高ランクの国家機密に指定され、大和に携わる兵士が大和の事を少しでも艦外に漏洩させれば、軍法会議ものであった。

 所謂箝口令が敷かれ、大和の事は国民はおろか、諸外国の諜報機関に情報が渡ってしまわない様にする為のものであった。帝国海軍としては、世界でも類を見ない巨大戦艦の存在を、開戦までは秘密にしておきたいと言う気持ちが、あったのであろう。

 結果として大和の存在は、一般に知れ渡るのは太平洋戦争開戦後の事である。この時代においては、時代の主役であった航空母艦や艦載機による空母機動部隊程のインパクトは、無かったかもしれないがそれでも、パナマ運河を通れない様な巨大戦艦を日本海軍が、独自に造船した事は充分なインパクトのある事であった。

 箝口令を敷いたのもその為であった。敵に出来るだけインパクトを与える。日本海軍にとって大和が本当に必要であったかと言う議論は別にして、フリート・イン・ビーイング(現存艦隊)を実現する上では、大和は欠かせない存在であったと言える。

 開戦前に大和の情報発信を控えた事により、日本海軍は強力なフリート・イン・ビーイングを達成した。新造艦(大和)の事を口にしただけで、軍法会議ものと言う徹底ぶりは、恐らくこの大和をおいて他には見当たらない。それだけ日本海軍は大和にかけていたとも言えた。

 大和が実戦で大暴れしてくれると踏んだからこそ、これだけの秘密主義をとったのだろう。だが、蓋を開けてみれば、大暴れどころかたった一隻の駆逐艦撃沈しただけとは、到底笑えないブラックジョークであった。

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