表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/31

15.復活!お胸様!

「ところで、イチロウさん。その大量に置かれているポーションは、HP回復ポーションですよね?」


「勿論でございます、ヘルメス様。」


「では、タイミングよく首を怪我されているようなので、飲んでみていただけますか?」


 そう言ってヘルメスお嬢様がテーブルの上のポーションを一つ渡してきた。毒味せよと。


「わかりました。」


 ここに置いたのは全て最上級ポーション(高品質)、この程度の傷など一瞬で治る…はず。何気にHP回復ポーションを使うのは初めてなので、ドキドキの初体験。治らなかったらどうしよう。


「では、今から飲みますので、効果を確認してください。」


 俺が渡されたポーションを飲み干すと、体が淡い光に包まれて、喉の傷がふさがっていく。結構大げさな光り方するから、これはかなり目立つな。


「秘蔵のポーションと言うのは本当のようですね。全身が光に包まるポーションなんて初めて見ました。これなら私の体も…」


「このポーションは一応エリクサーです。ヘルメス様の傷も癒せるはずです。」


 だから見逃してください。


「ポーションに効果があることはわかりました。ですが、夜中に忍び込んだあなたの存在を、他の者に知られると説明が面倒です。場所を移しますのでポーションを回収して、目立たないようについてきてください。」


 仕方なく俺はポーションを回収しハイドとステルスを発動。移動を始めたヘルメスお嬢様の後を追尾する。


 途中、何度か俺を探す素振りをヘルメスお嬢様が見せるので、その度にステルスを解いてここにいますよアピール。至近距離でも一旦視界の外に出れば見失うらしい。


 誘導されるまま一階の端っこの部屋へ入る。


「ここは私の部屋なので、姿を表しても大丈夫ですよ。」


 ヘルメスお嬢様はそう言ってから壁に手を触れた。なにやらゴニョゴニョとつぶやくと、壁が消え地下へと続く階段が現れた。


 私室に入れたり隠し通路見せたり、これって俺の事を逃がす気無いんじゃね。とか考えながら、地下へと降りていく。途中で壁はどうなったんだろうと気になり振り返ると、壁が復活していくのが見えた。どうやら自動で壁は閉じるようだ。


「上の壁は私にしか開けることが出来ないので、ここなら誰にも見つかりません。」


 詰んだ。もはや逃げようがない。腕輪の効果も考えると、俺がこの先生きのこれる確率かなり低いんじゃなかろうか。なんとしてもヘルメスお嬢様に取り入らねば!


「では、さっそくポーションの効果を試させていただきますね。」


 ヘルメスお嬢様は顔の半分を被っていた包帯をとり、焼けただれた傷跡があらわになる。頭皮はむき出しになり目は白く濁っている。


「醜いでしょう。今はこんな顔ですが、怪我をする前は辺境伯領一の美少女と言われてたんですよ。」


 そう言って、先ほど確保しておいたのだろうポーションを飲んだヘルメスお嬢様の体が淡い光に包まれる。顔の怪我はまたたく間に完治し、自称美少女に恥じない顔立ちが現れる。


 そして、全身の傷も癒やされ、服を着ていても存在しないのがわかるほど平らな胸に、膨らみが再生…されないだと!?


 あ!ヘルメスお嬢様がお胸様を確認して泣いている!


 やばい、まさか四肢全損を上回る傷だとは思わなかった。ネクターだ!MPが100万吹っ飛ぶがネクターを使うしかない!



「ヘ、ヘルメス様。たった今作ったこのネクターなら、今度こそ、そのえぐれた胸を再生出来るはずです!」


 急いで作成したネクターをヘルメスお嬢様に差し出した時、予想外の事態が俺を襲った!


「だ」


「だ?」


「だれの胸がえぐれてるだ!!完治しとるわあぁぁぁ!!」


「ポメラッ!」


 ネクターを渡そうとした俺の顔面に、ヘルメスお嬢様の拳が炸裂した!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ