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異界巡行の世界 箱舟天使は異界を旅して帰還する  作者: 七夜月 文
1章 --永久を繰り返すアルカアンヘル--
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生き抜くために戦う 2

「なんか急に洋服の色と模様のバリエーション増えましたね、でもベニユキさんたちとお揃いです」

「ほんとだな、でもこれからまたどこかに戦いに行くんだろ? 色が増えて目だったりしないか?」


「おしゃれだからいいんです。汚れてもなんか次の日にはきれいになりますし? それに難しい服装は着方がわかりません」

「それもそうか」


 通路と同じく白く光る発光パネルが付いた礼拝堂はライトの光が変わっていて、無機質な白色から淡い青色のライトに照らされていた。


「なんか、雰囲気変わりましたね? 青白く光ってます、水の中にいるみたい」

「ああ、ほんとだな。昨日のあれが何か変えたのか?」


 色ごとにまとまっていてグリフィンやテオ、キュリルたちは黒と赤の色の服装。

 離れたところで別にまとまっているブラットフォードは紺色の色合いのジャケットを着ているのが見えた。

 どこにも属さず部屋の隅で点々と経つ者らは黒いジャケットのまま。


「やぁ、急に服装に色どりが出て鮮やかになったな。あからさまに目立つような色はないが、前の服装より色が付いたことで敵からの発見率は上がる」

「学生の制服や軍隊のような重苦しさは無くなったけどな」


「今の話も、人相手ならばの話だ」


 最後に双子のようなよく似た背格好の女性が礼拝堂に入ってくると室内は暗くなっていき、舞台の上にミカが現れた。

 彼女は箱舟とこれから行うことの説明を始める。

 ベニユキはマルティンたちの場所に戻る時間はなく、近くの長椅子に腰掛けグリフィンは頬杖をついて聞く。


「毎日聞かされるな」

「今日が初めてのやつもいるからだろ?」


「そうではあるが知っている身としては退屈ではある」

「まぁな、でも他の奴らのほとんどはこのことを知らないわけだし」


「ここにいる全員が一度は生還しなければこれは続くのだろうか?」

「かもな?」


 部屋の各所にライトが照らされるとグリフィンたちが光の当てられる方向を見た。

 初日に何人かが開こうとしていた開かない扉。


『皆様の要求を満たすためには多くの金属が必要です。そのために今回はできるだけ多くの金属を集めてください』

「集めるってどの程度、運ぶのだって人の力には限界がある金属は重たいんだ。また機械の護衛をするのか?」


『いいえ、金属が豊富な場所を見つけたら白い銃で知らせてください』

「この最初の武器か?」


『はい、その銃は改造され引き金を引くとレーザーが飛び位置をポイントします。これはただのマーカーであって武器ではありませんので攻撃力はありません、その点にご注意ください』


 ミカの周りの空中に白い拳銃の映像を浮かばせる。


『私自身は箱舟の以外の状況を偵察のためのドローンとスキャンした情報でしか、あなた方を追えませんが合図をいただければその場所にオートマトンを送り出せます』

「なら今回は鉄屑を見つけて合図を送るだけってことでいいのかな?」


『はい、金属であれば何でも構いません。オートマトンを向かわせるに必要な金属の量はそうですね、乗用車一台分以上とみられる量。皆様が最終的に集める合計量は、船を一隻作れる量としましょう』

「船といってもいろんなサイズがあるけど?」


『重量を数値としていっても想像できないでしょう。大雑把に説明しますとおよそ100メートルクラスの船舶に必要な量とします。脅威は存在しますので各々自衛のための戦闘を行ってください』


 施設は電源が点灯し再び青白い光に包まれた。

 水や携帯食料、それと武器が入った箱が用意され、グリフィンたちは先に武器を取りに行く。

 グリフィンたちと別れたベニユキはマルティンやエレオノーラたちと合流する。


「だってさ、そんな量歩いて見つかるのか? また昨日の工場またみたいな場所か?」


 皆が一斉に部隊の前へと集まっていく、その中に交じってベニユキに手を振り近づいてくるマルティン。


「車が多く止まってるような場所を探すのもよさそうだね。船一隻分あるとは思えないけど」

「簡単に思えるけど、それなら初日の場所に降ろすだろうな」


「そうだね。また不思議な世界に向かうんだろうね」

「何だろうと、やめられないんだけどな」


 その後からテンメイとエレオノーラがやってくる。


「大きな船を見つければいいってこと?」

「確かに、頭いいですねテンメイ!」


「なら今日は戦闘が少なくて済むってことでいいんだよね?」

「ですね! よかった、でも隠れながら移動しないと危ないですよね。持ってくのは少ない方がいいのかな?」


 白い拳銃や機関銃も並んでおり新しい武器を見て悩むウーノン。

 新しい武器が増えるたび修理し増産し並べられる。


「どうかしたのかいウーノン?」

「武器も増えてきて持っていくものを考えなければならなくなったから」


「確かに大きい銃は重いからね」

「敵が何かわかっていれば持っていく武器も絞られるんだが」


 マルティンとウーノンの横に立つベニユキ。


「相手が人なら、ここにある武器で十分な力なはずなのにな」


 見れば知らない武器も増えていて、手榴弾や散弾銃、大きな狙撃銃などが増えていた。

 手榴弾を手にしたベニユキのつぶやきにミカはすぐに返事を返す。


「知らない武器もあるけど?」

『はい、残り少なかった燃料を補給し停止させていた設備を再稼働させたことで破損した技術の修復も可能となり、消費する電力の多さから控えていた最初に持ち帰っていただいた破損したデータからの復元から製造した武器です。箱舟は無人でも動く施設、武器の製造にも多くの資源と電力を使いますから』

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