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異界巡行の世界 箱舟天使は異界を旅して帰還する  作者: 七夜月 文
4章 --光目指し加速する箱舟天使--
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混沌極まる世界 3

 装飾のような細かな模様の入った銀色の銃祖手に取る。


「なんでここにきてこんなものを、昨日使った最新兵器でいいんじゃないか? 使いやすかったし、強かったぞ?」


 グリフィンとアインが首を傾げる中、隣でテンメイがつぶやく。

 他に並ぶは木の根のような銃床に水晶の銃身の狙撃銃。

 ほんのりと紫色に光る金属でできた銀色の拳銃。

 金属の光沢によく似た昆虫の外骨格の間から肉片と血管が見える銃。


「……通じない、とか?」

「あの武器で怪物たちを難なく倒せた武器だぞ? 通じないってことがあるか?」

「でも、あの武器でなんとかなるならそのままでよかったはずでしょ? それでなんとかならないからこうした新しい武器を用意したんじゃないのかな?」

「あっ! 元の世界に戻るってことは、昨日使った武器をもった人がいるんだよね! ただ拾えばいいんじゃない?」


「その武器で対処できなかったから……ああ、そういうことか」

「あの武器で倒せない敵なのか。今までのどの武器より強かったのにな」

「今日も楽な戦いは出来ないんだね。安全な戦いっていうものがあるのかわからないけど」

「こわかった日も今日で終わるんだ、終わらせるんだ」


 テンメイを始めベニユキやグリフィン、マルティンたちは世界に戻る嬉しさ半分怪物との戦闘に対する不安が半分の複雑の表情を浮かべる。


「全部見たことない武器ってのはどうしてなんですかね? でも、一つも見たことがない武器が並んでいます。武器がなにひとつ見たことないもの。でも使い方はわかる、やっぱり不思議な感じ」


 ほのかに甘い香りが漂う水晶が巻き付いた木の根の銃を手にエレオノーラが話に加わる。


「でも禍々しいものはないんですね、綺麗な宝石みたいな銃もありますし。誰も選ばないからですかね?」

「そこのその虫みたいなやつ見てから言ってくれるエレオノーラ?」


 テンメイとエレオノーラの話に出た、鱗とも虫の外骨格とも見えるその銃をウーノンやテオが手に取り見て回す。


「ほんとに生きてる銃みたいだ、どうなってるんだ? でも使い方は普通の銃と変わりないようだな、弾丸も虫なのか。詳しくはないがこの虫は飛蝗か? 卵ではないんだな」

「見てくれはだいぶ変だけど、威力も何となくな知識でわかるのだけど撃ってみないと評価しずらいものばかりだな。悪魔でここにある武器の使い方しかわからないわけだし」


「死んでいるのか休眠中なのか……。弾倉を複数持たないといけないわけだが、この虫、逃げ出したら大変だなどうなるんだ? 血を吸われるのか、体の内側から食られるのか、卵産みつけられるのか? 実はこの虫の中にカマキリの寄生虫みたいなのがいて宿主を切り替えて……」

「やめてくれ体がかゆくなる」


 みなが首を傾げながらワイワイと武器を選ぶ中、迷いなく水晶の銃を手に取るネシェル。


「私はいつだって後方支援だから、どんな形でもライフルを使うよ」


 隣りでブラットフォードも同じ水晶の銃を手を伸ばす。


「どうしようかな私も、遠距離で戦おうかな。いやしかし後ろから味方を撃ってしまうかもしれないしな、ここにきて急に武器を変えてしまうのもなぁ」


 異界の技術でできたであろう武器、キュリルやホルテン達も武器を選びアタッチメントを選び始める。


「前回使ったしライトとかいるかな? 持っていて悪いことはないか」

「だんだんと近接武器のリーチが短くなってくっすね。剣とかもうないんすかね」


「近距離はあまり主体じゃなくなってきたね、銃撃戦がメインだ。でも建物に入ったりすることもあるだろうし持っていて悪いことはないと思うよ」

「そっすよね、状況に合わせて使い分けていくしかないっすよね」


「でも振り回したいよね、ぶっ壊したときの爽快感あるし」

「バサーって斬ると気分がいいっすよね」


 ベニユキが辺りを見渡せば別の通路、他の箱舟のメンバーも新たな武器を話し合いながら選んでいた。


「なんか見た感じ他の箱舟のやつもこの武器は初めてらしいな」

「見た目はあれだけど使い方も戦い方も変わらないから、いつも使っている武器を選べば問題は無さげだね」


「ここに来て武器を変える必要はないもんな」

「でも、しっかりと準備は必要だね。なにがあるのかわからないのはいつも通りだ、でも怪物を倒せるように対戦車武器は持っていくべきだよね」


 ガーネットとアンバーは模様の入った銀色の銃を手に取る。


「この銃なんだか手になじむねぇ、不思議と自然に手が伸びてしまったよ」

「そう? なんかやけに冷たい武器なんだけど」


「え、ポカポカとして温かくないかい?」

「え、手が痛くなるくらいには、氷みたいに冷たいよ?」


 銀色の銃を抱えてエレオノーラとブラットフォードが救急箱を開ける。


「救急箱に関しては昨日と同じものなんですね、よかった」

「使い方も機能で慣れているし良かった。それに性能は折り紙付きだ」


 必要なものをポーチや鞄に詰めていく。


 ウーノンとアインが大きな鉄の塊を背負ってきた。

 背中に背負う大きな箱と、そこからケーブルが伸び大きな銃につながっている。

 他の銃より二回りほど大きな銃を見てグリフィンとベニユキが近寄る。


「ネシェルくんが前に背負っていた狙撃銃のような銃だな、長さはないが今までのどの武器よりも大きいな」

「重機関銃を持てるサイズにしたみたいだな。そのやけにでかいなどこにあったんだその銃、というか銃口がないぞ?」

「ああ、一番向こうのコンテナに入っていた。この銃は多分電気が出るだから避雷針みたいになっているんだろう」


「その背負っているのはバッテリーか?」

「電撃を放つ銃か、狙ったところに真っすぐ飛んでくれなさそうだな」

「こっちの背負うのはおそらくエンジンだ、替えの弾倉が固形燃料だったからバッテリーではないな」


「この大きさで一回の弾倉でどれだけ撃てるのか気になるところではあるな」

「重そうだな」

「重いぞ」


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