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異界巡行の世界 箱舟天使は異界を旅して帰還する  作者: 七夜月 文
4章 --光目指し加速する箱舟天使--
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試練 3

 グリフィンたちとともに席を立ち武器が並ぶコンテナからベニユキは一つ銃をとる。

 黒地に白と赤のラインの入った中型の銃。

 今まで触れてきたどの銃より軽く見なそれに驚く。


「見た目より銃が軽いな?」

「弾薬も軽いです」


 エレオノーラも銃をとりそれを確認する。


「これであの大きな虫みたいなのを倒せるんでしょうか?」

「わからない。だけどわざわざ用意された武器なんだ、どうにかなるんじゃないか?」


「こっちには、救急箱かな……ええと、あっすごい。保肉クリーム、臓器再生錠剤と細胞増殖薬もあります!」

「すごいのか?」


「はい、認可承認待ちの薬や医療技術なんですけどすごい奴なんです。これがあるなら今までよりよっぽどいい治療ができます!」

「そうなのか、死なないことに越したことはないしいいことか」


 救急箱を複数肩から下げるエレオノーラ。

 通路に止まる他の武器の乗ったコンテナを見れば、同じようにブラットフォードやカノンも救急箱の中身を確認していた。

 ベニユキは隣の武器の乗ったコンテナで、グリフィンたちがポーチに弾倉を詰めていくのを見て近寄る。

 彼らは複数の銃と対戦車兵器らしき大掛かりな六角形の柱を背負いながら、多くの武器を持っていた。


「そんなに武器を持って大丈夫か?」

「相手は怪獣だ、武器を多く持って困ることもないだろう。ここに並ぶのは軍の最新装備に匹敵する武器だぞ」


「どことなくうれしそうだなグリフィン」

「民間の武装会社には気軽に手も出せない値段の品物だ、銃もだが弾薬にいくらかかると思う。それを自由に使えるんだ」


「よっぽど強いんだなこの銃。怪物に通用するんだな」

「世界に使ったら使ってみろ。楽しみにしているといい、苦戦はするだろうが負けはしないだろう。我々は先に行って待っているよ」


 武器の性能をもったいぶりその場から離れていくグリフィン。

 同じようにアインやギルベルト、ドミニクも全身に武器を持ちホール中央のエレベーターへと向かって行く。


「先に行っている」

「今日の戦闘が終われば、元の世界に帰れるんだね。頑張ろうベニユキ君」

「今日こそ生き残るんだ……」


 ウーノン、マルティン、テンメイが同じように装備を整えるとベニユキの横を通ってエレベーターへと向かって行った。

 エレオノーラたちもいつの間にかエレベーターへと向かっていて何人かはまだ武装で悩んでいる。


「やめといたほうがよくないっすか?」

「いいよ私は後方支援する。それよりホルテンは自分の装備見直した方がいいよ」


「二丁拳銃ってかっちょくないっすか?」

「知らないよ、遊んでられないって話なの。今日次第で家に帰れるかもしれないんだから真面目に選んで」


「でも、狙撃銃って囲まれたら戦えなく……。これでもちゃんと結果は出してるつもり……」

「今まで無事だったし、一応他の銃も持ってくよ」


 ネシェルは同じようにしろと赤いラインの入った黒く一際長い銃身の狙撃銃を手に取り専用の弾倉を探す。


「軽い……なんか不安だな。細いし曲がりそう折れそう」

「大きい銃だし、軽い方が疲れにくくていいんじゃ?」


「ちゃんと戦えるのかなぁ。壊れたらどうしようもないってのに」

「武器だしそう簡単には壊れないと思うんすけどね」


 ベニユキと同じ銃を手に取りアタッチメントなどを選ぶガーネットとアンバー。

 自分の記憶になくても箱舟から与えられた知識で自然と手は動き、銃をカスタマイズしていく。


「ほら、弾倉はいっぱいあった方がいいんだから。持てるだけ持って軽いんだから。怪獣が相手だしこの筒も必要かな」

「はいはい。でもこんな荷物と動きづらくなってしまうよ、大きいのは他の人に任せて私らはそのほかの小物を相手取れはいいんじゃないかい」


「みんなで纏まって行動するんだもの大丈夫、早く終わらせて元の世界に帰ってもう戦いとは関係ない生活に早く戻るんだ」

「皆で行動して今まで大丈夫だったことがないんだけどねぇ」


「今回武器はこれだけなんだね。いろんな武器が並んでなくて選びやすいけど、こんな銃が通じるのかな」

「ああ、ここに並ぶ武器には見覚えがあるね。どれも戦争のための武器だ、平和御維持するために殺すことに特化した武器」


 ベニユキも弾倉と手榴弾をいくつか持つとエレベーターへと向かって階段を降り始める。

 すれ違ったテオとキュリルは新しくなった武装に困惑しながらもそれぞれの武器を手に取り何かを考えていた。


「グリフィンらは先に行ったか、俺らも早いところ装備を整えて合流しないとな」

「バットも剣もなくなったけど、また新しいのが増えてるね携行用の小さい盾と……こっちは大きめのナイフ? 小さめの鉈?」


「このナイフはよく切れるナイフだった気がするな。有刺鉄線など細い金属も斬れるやつだ」

「使い方わかるけど実際に使ったことがないからうまく扱えるか心配だな」


「なら銃を持ったらどうだ?」

「私は耳が過敏なの、五月蠅くて痛くなるから出来るなら使わない。必要なら使うけども……」


「なら消音機とかもあるんだぞ」

「どうせ壊れるじゃない、撃ち続けるんだよ」


「毎回思うんだが一番前に出て戦うの見ててひやひやするんだ」

「心配どうも、大丈夫もう慣れたから」


 一人コウエイが小走りでベニユキを追い抜かす。


「走らなくてもまだ時間はあるぞ」

「な、なんか皆さんを待たせてる気がしちゃって。あはは、いっぱい武器があって迷っちゃって」


「武器はどうした?」

「みんなリュックに入れました、帆から晩の横に横にぶら下がってます。あ、あと足に拳銃をホルスターに入れてます。いっぱい持ってても撃つとき怖がっちゃって当たらないんですけどね、へへへ」


 一人また一人とエレベーターへと上がっていき、やがてホールにいた全員がエレベータの上に立つ。


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