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魔法使いが優遇される世界で物理特化で頑張ります  作者: 啾聲カケル
1章-工業都市ダグタリア-
3/5

ローリア邸

その日のアウラの家の大広間


「悪いな結局今日泊めてもらって」


「いえ、これも王族としての務めですので」


「王族?」


「はい、私はこの国の第二王女アウラ・ローリアです」


「だからこんなにおっきな家に住んでるんですね」


西村が間抜けな声で周りを見渡す。


「じゃあ、尚更俺たちみたいな初めて合う人を泊めるわけにはいかないんじゃないのか?」


「いえ、困っている方を助けないなんて王女として失格です」


「歳そんなに変わらなそうなのに俺と違って立派だな」


「いえいえ、そんなことないですよ。白兎さんたちの方がこんな状況なのに諦めずに」


そう言うアウラの声はか細く悲しげだった。


「そうだ!もっとこの都市について教えて下さいよ!」


重い空気を変えようと西村が話題を振る。


「はい!ここダグタリアは特に工業に力を入れているんですよ!」


聞かれて嬉しかったのかアウラは目を輝かせながら西村に顔を近付ける。


「実は今でも都市中の機械は動いていて、地下水路」


「アウラお嬢様そろそろおやすみになられては?」


カーラーさんがアウラを呼びに来た。


「そうですね、お話出来ないのは悲しいのですけれど明日は早いですし」


「そうなのか、本当に今日は良くしてくれてありがとう。こんな立派な服まで貸して貰って申し訳ない」


青と白で作られた服は所々に金が散りばめられている。

高校生の俺は勿論、社会人でも易々と買うことは不可能だろう。


「いえいえ、いいんですよ。明日の朝には元々着ておられた服も直っていると思いますので、それではおやすみなさい」


「おやすみなさい」


西村はアウラに向かって大きく手を振る。


「では、おふたりはこちらへ」


カーラーさんに案内され、俺と西村は二階の一番奥の部屋へと向かった。


「では、明日またお迎えに上がりますので」


「はい、何から何までありがとうございます」


カーラーさんは深くお辞儀し、部屋を後にした。






ガチャッと音を立てドアが閉じ、しばらくして話し出す。


「さて、西村だっけ?これからどうすんの?」


「やめてくれよ西村なんて、俺たちの中だろ?」


「俺たちの仲って言われても俺はお前と一緒に過ごした記憶はないんだよ」


「じゃあ、改めて自己紹介をさせてくれ。

俺は西村遼河、歳は白兎と同じで17歳、

谷山高校の2年生、剣道部で趣味はゲーム、

これからは西村じゃなくてきちんと遼河って呼んでくれよ」


「わかったよ、じゃあ遼河よろしくな」


俺は小さくため息を吐きながらも遼河にしたがう。

それを見た遼河は満足気に大きく頷く。


「で?遼河これからどうする?」


「どうって、佐倉さんって人に会いに行くんじゃないの?」


「それもそうだけどそっからだよ、佐倉さんがいい人で、何かしらを手伝ってくれるとしても、佐倉さんにも、アウラにも、ずっと頼ることなんてできないし」


「確かにそうだけど、それは明日とかそれ以降にならないとわからないだろ?」


「うーん、じゃあ取り敢えず明日はカーラーさんの言ってたギルドに行って佐倉さんに会う、その後にダグタリアの中で衣食住をどうにか確保する...とか?」


「うん、それが一番てか、それしかないんじゃない?今日はもう寝て明日朝早くからギルドに向かおうぜ」


「そうだなもう寝るか、おやすみ」


「うん、おやすみ」


初めてここで目覚めた時と同じようなベッドで横になる。

俺は今日起こった全ての出来事から目を逸らすようにゆっくりと眠りについた。

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