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二話目

一話目を見たらわかると思うんですが、それほど怖くはないと思います。二話目も、頑張りたいです。

では、二話目も宜しくお願いします。


ーーーーーーーーーーーーー

怪我で入院することになった。


「よっしゃあ!学校休める!」


入院ベッドの上でガッツポーズをすると、母親が呆れたように、私の頭を軽く叩いた。


「喜ぶことじゃないわよ。元々勉強出来ないんだから、またバカになる。」


「バカって言うな。そこそこの成績は取ってる。」


「はいはい。」


「流すな!」


「へー」


むかついたが、口喧嘩で勝ったことは無いので、言い返すことをやめた。この病室は私のベッド以外はだれもいない。だから、思いっきり楽しめる!


「はい宿題。」


「やれと?今の私にやれと?」


「それぐらい元気があるなら出来るでしょう?」


そう言ってまじで宿題を置いていった母親にイラッとしたが、落ち着け、私。


「あれ?新しい人?」


同じ病院内の小児科の患者さんと思われる男の子が入ってきた。


「うん。そうだよ。君は?」


「とうま。」


「とうま君っていうんだね。今は何してるの?」


「探検!」


すごい微笑ましい。この子も入院したばかりなのだろうか。探検は子供は大好きだからなぁ。


「そっかー。危ないことしちゃダメだよ?」


「うん。わかってる!じゃ次行ってくるね!またね!」


「またね。とうまくん。」


元気よく手を振って、私の病室から出ていくとうまくん。本当は注意すべきなのだろうが、あの楽しそうな顔を見せられたらなぁ。



その後もとうま君は病室に遊びに来た。

どの部屋がどうだったとか、こんな事があったよとか報告してくれる。とても可愛らしい。可愛らしいのだが、たまにあの部屋のベッドが空いたとか、なんか白い布が人に被せられてたとか、…まぁ、ね?病院だしね?…へーそっかーが棒読みだよね。


不思議なことに、1度も母親と、とうま君が来る時間が重ならない。



まぁ、そんなこともあるよね、と思ってたら退院することになった。


「とうま君、残念だけど私、明日退院するんだ。」


「お姉さん、いなくなっちゃうの?」


「うん。」


「むー。」


「しょうがない事だよ。また縁があったら会えるかもね?」


「えん?」


「繋がりのことだよ。」


「よく分からないけど、また会えるならいいや。」


とうま君は笑って、退院おめでとうと言ってくれた。うん。元気もらえるわー。




退院の日、小児科の先生にたまたまあったから、とうま君に上げようと思っていたお菓子を渡すように頼むと驚いたような顔をした。


「とうまという子は、今入院している子達の中にいませんよ?」


「え?」


名前間違ってたかな?と思い、特徴も伝えると、小児科の先生は考え込み、口を開いた。


「その子はちょっと前に亡くなってしまっています。」


一瞬、聞き間違いかと思った。

反応を返すことが出来たのは、数秒後。


「…え?だって…」


「きっと、話し相手を見つけて嬉しかったんでしょうね。」


恐怖は感じなかった。ただ、驚きだった。



その後、その小児科の先生がとうま君のお墓の場所を教えてくれた。花束を持って、お菓子を買い御参りに行く。


とうま君の墓の前でとうま君のお母さんに会った。その人は、私の事を知っているようだった。どうしてと聞くと、とうま君が夢で私の事を楽しそうに話してくれたということだった。


とうま君のお墓にお花を供え、私は言った。


「また会えると嬉しいな。今度は色んな話を私からしよう?」


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