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一話目

この話を開いていただきありがとうございます。

まぁ、ゆるりとしていってください。

改めて言いますが、作者はホラー大好きです。

そのため、このようなものを作りました。

それほど怖い話はないかと思いますが、どうぞ読んでいってください。さて、始めましょう。希望は百物語をしたいなぁです。感想など書いて頂けるとありがたいですね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「先輩、窓閉めの当番ですよね。手伝いましょうか?」


部活の終わり、後輩に声をかけられる。学校の窓閉めの当番は一週間に1度ほどの、2年生のお仕事だ。たまに、こうやって後輩が手伝ってくれることもある。が、それほど大変ではないので断ることにした。

もう、日も落ちてしまう。


「ありがとう。でも、今日は帰った方がいいよ。暗いし。」


「でも、先輩も家遠いですよね。」


「ううん。それほどでもないよ。」


「そうですかー。では、お疲れ様でしたー。」


「はい、おつかれ。」


3階から見て回ろう。暗いが、見えないこともないので、電気はつけないでいいか。後で電気を消すのも面倒くさいし。


1年1組前、うん、閉まってる。


1年2組前、閉まってる。めずらしい。


1年3組前、閉まってる


そこでふと後ろを見た。ただ、なんとなくだった。


「あれ?」


1年1組前の窓が開いている。おかしいな。先ほど、確認したはずなんだけれど…。

この時は、確認漏れだったかなと思って、窓を閉めに戻りちゃんとロックまでかけて、次に行った。




2階、1階と見ていき、窓を確認したあと荷物を取りにもう1度3階に戻る。

荷物を部室からとって、部室の鍵をかけて帰ろうとした。部室から、中庭を挟んで教室前の廊下が見えた。



「あれ?また開いてる?」



閉めたはずの1年1組前の窓が開いていた。

先生達は、2階の職員室に集まっていて、わざわざ3階に来るとは考えにくい。まさか、まだ誰かいて、イタズラをしているのか。


「先輩、ちょっと忘れ物をしてしまって…」


後ろから声を掛けられたので驚いてしまったが、窓閉めを手伝おうとしてくれた後輩だ。いいよ、と言って鍵を開けた。


「ありがとうございました!ありました!」


後輩が忘れ物を持って部室から出てきた。部室の鍵をもう1度閉めようとした時、後輩から声をかけられた。


「先輩、今日は窓閉め大変そうですね?」


不思議に思って、鍵をかけながら後輩に答える。


「さっき窓閉めに行ったんだけどそれほど窓は開いてなかったよ?」


後輩がえっ、と声を上げた。何かあったんだろうかと思い、後輩の目線の先を見てみる。窓だ。


「えっ、…何で開いてるところ増えてるの?」


さっきは、1年1組前の窓が一つ開いていただけだったのに、ここから見える3階、2階、1階の窓が開いていた。


「先輩!向こうの窓、開きつつあるんですが…」


後輩が指をさしながら震える声で、私に報告してくる。そちらを見ると、ゆっくりと窓が開いているのが見えた。誰か開けているのかと思い、よく見たが、誰もいない。


「誰かいるように見える?」


「いえ…誰も見えません、電気も付いていません…」


いくら暗いといえど影ぐらいは見える時間帯なのに、誰も見えない。なんで…と思わず声が漏れてしまう。



「先輩!帰りましょう!」


後輩が私の腕を掴んで、階段の方に引っ張る。だけど、私は見てしまった。暗い中に、何かまた1段と暗い影が見えることに。そしてそれはこちらに近づいてくる。ずるっ、ずるっという音とともに。それは、人型をしていたけども、人では絶対にない。


「せ、せんぱい。」


職員室に向かおうとしたけども、影は私たちから数メートルぐらいしか離れていない。階段に行くにはその影に近づかなければならない。あと、悪いことにこの部室前は廊下の突き当りだ、逃げられない!


「鍵を開けるから部室の中に入ろう!」


急いで、部室の鍵を開けふたりで中に入った。鍵を内側からかけている間に、後輩が電気をつけた。


「…見た?」


「……見えました」


後輩は混乱しているようだ。私も混乱している。

あの黒い影はなんだ?


部室の扉を見ていると、ガチャガチャという音が聞こえた。

まさか…。


ガチャガチャガチャガチャ


「くそっ」


何かが無理やり、扉を開けようとしている音がずっとなっている。後輩は、完全に怯えてしまって、座り込み震えてしまっている。どうすれば…。


ドンドンという音も混じってきた。先生達なら、何か言うはずなのに、声は全く聞こえない。

本当に何なんだよ…



プチッという音が後輩のところから聞こえ振り向くと、後輩が呆然とお守りをみていた。


「何の音?」


「…お守りの紐が切れました。」


見ると後輩の手に握られたお守りの紐が切れていた。力いっぱいに引きちぎったような感じで。

ふと気がつけば、扉が叩かれてた様な音も、鍵を無理矢理に開けようとしていた音も聞こえなくなっていた。

今なら帰れるかもしれない。


「今なら出られるかもしれない。行こう!」


「はい!」


後輩を立たせ、鍵を開け、周りを見るが何もいない。

急いで部室を出て、後輩を引っ張り走って階段を降りる。職員室がちらっと見えたが、真っ暗だった。その事に違和感を感じたけれど、確認せず、校舎を出た。


「はぁっ、はぁっ。」


「どうにか、逃げれたみたい。早く帰ろう。」


「そうします!」





その後、後輩と別れ、自分の家に帰る。

特に何も起こらなかった。次の日、学校に行き、窓閉めをしていないことを先生に謝り、職員室が暗かったことを聞いたけれど、先生は不思議そうに言った


「窓は全部しまってたよ?あと、職員室の電気を消したのは、かなり遅くで、その時は生徒は居なかったと聞いたんだけど?」


私たち2人があの体験をしたのは、先生達はまだいる時間。

だけど職員室は暗くなってて、窓も開いていた。だったら、あの体験は何だったのだろう。

後輩も、私もハッキリとあの体験を覚えている。夢ではなかった。

その後は、何もなくて安心したんだけれど、本当に不思議な事だった




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