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あのね。
晴天下 吹き抜ける風
掛け声とともに
過ぎ去るユニフォームが
眩しい8月とともに
懐かしい気持ちを連れてくる
ふいに あなたに好きだと 言いたくなった
勉強より 恋より 大事だと
思春期の思い込みで
ずっと 守ってきた友情
どうしてだろう一秒前まで
このままでもいいかと思っていたのに
なんの心の準備もないまま
これが あなたとの最期になるかもしれない
けれど あの頃
部活の帰りに 一度だけ 繋いだ手の震えを
今は 信じたい
あなたは驚くかな
数秒のコール音
少しのんびりした声
「もしもし あのね」