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魔法処女まむこちゃん  作者: にとぱん
プロローグ
1/25

大いなる矛盾

挿絵(By みてみん)


「私、処女だったんだ……」


そんな唐突で当たり前の自己嫌悪に陥っている、自称ビッチギャルの少女(10さい)。

幼い横顔が夕焼けに照らされ、肌と影のコントラストで幾分か大人びて見える。……かも。

少女の名前は黒井まむこ。名前だけはいよいよ正真正銘のビッチギャルである。

そんな少女が何故今さら自分が処女であるという衝撃でもない事実に途方にくれているかというと、話は2時間前に遡る。


日曜。15時。


休日の街を意気揚々と闊歩している少女がいた。

まむこである。黒井まむこである。

その恥ずかしい名前……いや、親から貰った人様の名前を恥ずかしいと言ってしまったら失礼か。

いや、これは恥ずかしいだろう。指摘すべきだろう。こんな恥ずかしい名前をつけて……親として何も責任を感じないのかと問い詰めなければならないだろう。

そう、これは恥ずかしい名前なのだ。桃色まむこではない。黒井まむこなのだ。

これは恥ずべき名前である。そうであらねばならない。

全国に蠢く童貞男子の妄想を保護するためにも、少女のデリケートZONEはキレイなピンク色でなければならない。断じて黒ではない。


少々話が脱線してしまったが、闊歩しているのである。

恥ずかしい名前の少女が。黒井まむこが。むしろ誇らしげな顔で。自信に満ち溢れた表情で。矛盾だ。不条理だ。

こんな恥ずかしい名前の少女が、こんなに堂々と御天道様に顔向けできるわけがない。

おかしい。状況がおかしい。いや、頭がおかしい。まむこの頭がおかしいのか。私の頭がおかしいのか。

若干のパニックに陥りながらも、まむこの足が止まったことでふと我に返る。


「わたしってば最高なビッチギャルね♪」


聞こえた。確かに聞こえた。齢10にして中身はピンクの黒井まむこは言ったのだ。

窓ガラスに映った自分の姿を見て、惚れ惚れしながら言ったのだ。自分はビッチであると。

まさか。まさかである。10さいである両手で数えきれる年齢である。初潮前である。であるにも拘わらず。

ビッチだと?誤用であろう。誤用でなくてはならない。

さもなくば、この自称ビッチと関係を築いてしまった輩が御用になってしまう。

そんなことは、あってはならない。エロ同人の世界の中でなければ、そのようなことがあってはならない。


そんなことを思っているうちに、まむこは建物のなかに入る。

どうやら、この店に入るために立ち止まったらしい。


その店の名は……スマターバックス……!!

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