第一夜
こんな夢を見た。
事が終わって、ベッドの見たこともない女が言った。
「一緒に死にましょうか?」
「それもいいだろう・・・」と、自分は本気とも嘘とも判断がつかない事を言った。「これまでいい事はなかった。これから先もいい事はないだろうから・・・」
夢か現か分からなかった。
でも、どちらでもいい事だ。どちらでも同じ事だから・・・。
「でも、その前に面白い事しましょう!」と、女が言った。
「先の事をもう一度するのか?」
「あら、先のは少しも面白くなかったわ!」
これは現だな、と自分は思った。
コンビニには夜中過ぎということもあって、店員一人しかいなかった。髪の毛を短く切った太った爺だった。
“この店のオーナーだな”と思った。
自分はいつの間にか何代か前のアメリカ大統領のマスクを付け、あの女はマドンナのマスクを付けていた。手には水鉄砲を持ってた。
「金を出せ」と言った。
「悪い冗談はよせ!」と爺が言い、右手で水鉄砲を奪おうとした。
それで、引き金を引いた。
鉛の弾が飛び出し、辺りは爺の血で真っ赤になった。
夢か現か分からなかった。
でも、どちらでもいい事だ。どちらでも同じ事だから・・・。
「とうとう、殺ったわね!」ふと気づくと、傍らの女が小学校入学前に家を出て行ったお袋に変わっていた。
「いつか殺ると思っていたわ。あの人の子どもだから・・・」結局、一度も自分を抱いてくれなかったその女が言った。
これは現だな、と思った。
「銃を捨て、両手を頭の上に上げるのだ!」
声のする方を見ると、制服警官が銃をこちらに向けて立っていた。
奴は続けて言った。
「動くな!動いたら撃つ!」
夢か現か分からなかった。
でも、どちらでもいい事だ。どちらでも同じ事だから・・・。
手に持った銃(それはいつの間にか本物の銃になっていた。)を奴に向け一歩、自分は歩んだ。
銃声が二発して、視界が崩れ、辺りが真っ赤に染まった。
これは現だな、と思った。
それもいいだろう、と思った。
そして「、意識が途絶えた。




