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灰色都市  作者: 黒羽
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04


ゼロに連れてこられたのは、ひどく田舎の駅だった。

小さくて、木で出来たホームは、少しの衝撃でも潰れてしまいそうだ。

しばらくして、揺れの激しい電車に乗り込んでも、二人は無言だった。

他に乗客のいない電車は、少し寂しすぎる。ヒカルは無意識に、露で白くなっている窓の向こうを眺めた。

景色は次第に、森から建物の多いものへと移り変わっていく。

「ゼロ……僕は、あそこから逃げてきてよかったのかな」

ヒカルがうつむきながらぽつりと口を開いた。

「まだよくわからないんだ。僕だけ逃げてくるなんて、何だか卑怯な気がして……」

「うーん、そうだな……。確かに逃げることはマイナスだけど、結果的に自分にプラスになるんだったら、それでいいんじゃないかな」

ゼロは、いつもの穏やかな表情を少年に向けた。

「ヒカルがこれで良かったって思えるなら、結果オーライだ」

向けられた笑顔に、寒い日なのに、体の芯から暖かくなった。

いつか、こうして良かったと思える日が来るなら――――。

白い息を吐き厚く着込んだ乗客も、徐々に増えた。終点は近い。


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