(カゲレンジャー×シノビレンジャー)後編 その3
夜。美山涼は家に戻り準備を整えたあと、再びシノビレンジャーの基地がある和風カフェに戻ってきた。
「美山涼くん……君が来るのを待っていたよ。シノビレンジャーのみんなも待ってるよ」
志原博士に促され和風カフェの地下スペースに入り、例の夢の世界に入り込む装置と布団がある部屋にやってきた。部屋には見慣れない人が増えていた。恐らくシノビレンジャーだろう。
「君がカゲブルーか。オレはシノビレッドだ」
「カゲブルー……美山涼です」
涼はカゲレッドに差し出された手を握った。
「ドーモ、シノビブラックです」
「……シノビブルー」
「シノビイエローです」
「そして私がシノビホワイトよ」
勢揃いしたシノビレンジャーを見て、涼は本当にシノビレンジャーはこの和風カフェが本拠地なんだと実感した。
「……それで本当にこの夢の世界には入り込む装置を使うんですか」
「……志原博士の発明品の性能は確かだ……安心して使ってくれ」
「……わかりました」
涼はまだ半信半疑だった。
◆◆◆◆◆
「どうだい……布団の寝心地は?」
「まぁまぁですね」
美山涼は夢の世界に入り込む装置を枕にして布団に包まれていた。
「これから明かりを消すからリラックスしてくれ」
志原博士がそう言うと部屋の明かりを消した。
涼はゆっくり深呼吸すると目をつぶった。シノビレンジャーはスクリーンのなにか数値を書かれたグラフに注視していた。数値はゆっくりと上下していく。
「……とりあえずしばらくは様子見だな」
シノビレンジャーは涼の睡眠の様子を見守った。
数十分後!スクリーンのグラフに変化が洗われた!
「美山涼くんが睡眠状態になったぞ!」
「シノビレンジャーも美山涼くんの夢の世界に入り込むぞ」
志原博士の言葉でシノビレンジャーはアイマスクのようなものを取り出し顔に装着した。
「……鬼が出るかヘビが出るか。夢の世界での冒険の始まりだ」