第五話 ちいかわと賽の河原
気まずい空気のなか、話を切り出したナオト。笑いをとるつもりだったのだろうか?相手は自分より頭のいいかも知れない、しかも女子。能面のような顔でユウナが口を開くと
ユウナ「ちいかわね。流行ってるよね。私もリュックにハチワレのキーホルダーつけてるよ」
ナオト「そうなんだ(おっ!食いついてきた)。ハチワレいいよね。」
ユウナ「私ね、ちいかわとハチワレは、ママやパパより先に死んだ子がいく世界に転生しちゃったと解釈してます」
ナオト「(なんで、いきなりデスマス口調?)えっ?”うさぎ”は?」
ユウナ「”うさぎ”はなんかよくわかんない笑」
ナオト「(さっき深刻な話をしておいてこの子は)いまのってハチワレっぽくいってみたつもり?」
ユウナ「そんなことないけど、最近似てるって言われるの。でもマジな話今度大きな討伐いこっ!じゃなくて、マジな話、ちいかわとハチワレは日々草むしりしたり、大きな虫を倒したり、嬉しいことや悲しことがたくさんあるけど、全体を通して見れは同じことの繰り返し、つまり賽の河原だと思うのよね」
ナオト「確かに、賽の河原は一つの例えで、せっかく渾身のプログラム書き終えたところで、Windowsアップデートで勝手に再起動始まって全部消えるのが毎日だったら、地獄より厳しいんじゃないかと思うな」
ユウナ「私はMacだから関係なさそうだけど」
ナオト「・・・・」
ユウナ「・・・・」
ナオト・ユウナ「そーいえばさー(ハモリ気味で)」
ナオト「なんで・・」
ユウナ「・・・私たちここにいるんだっけ?」
爆発事故の経緯を話し始めたナオト、そしてヨウスケも同じ学校に入学して、今は非公認で動画部を3人でやっていることをユウナに語る。ユウナは驚いたように
ユウナ「ヨウスケくんも合格したのね!すごいじゃない」
ナオト「普通に塾の掲示板に張り出されてましたけどー」
ユウナ「そうなんだ!でも妙ね、ヨウスケくん男子校は絶対嫌って言ってたでしょ」
ナオト「そう言ってたんだけどさー、男子校の方がモテるって吹き込んだんだよね」
ユウナ「なにそれ、根拠はあるの?」
ナオト「根拠なんてないよ、なんでそうなったか、よくわからないんだ笑」
ユウナ「いまのハチワレ風に言ってみたつもり?」
塾の時の話をし始め打ち解けた二人、昔は顔見知り程度で全く話をせずにいたのに、急接近!
次回に続く