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ロケットえんぴつ  作者: たちまちくらち
4/5

ヤリニモマケズ

チマタで流れるニュース番組では、お天気お姉さんが降ヤリ予報を唱えていた。ふっかつのじゅもんみたいにチンプンカンプンなので、ゴミに分かったのは休校の一文だけだった。

ソネミは昨日で十六になったが、ヤッカミの強烈な名誉人間性のおかげで、ホイクエンにもコージョーにも行かずに済んでいる。

ゴミは一度だけ学校行事でホイクエンの見学に行ったことがあるが、ペラペラなプロパガンダと大音量の人間讚美で、ニンゲンなのにヘドを吐きそうになったのを覚えていた。

チマタの劣悪なサブリミナル広告で気分の悪くなったゴミは、布団に倒れこむとレンラクモウを開いた。


「キョウハ、ヤリガフルノデ、ジュギョウハアリマセン」


カンチョーの簡素なデンポーが、レンラクモウのツルツルした画面に表示された。

それから学校にいるニンゲンコピーたちの名前が、ツルツルの光る板の上を滑るように流れてゆく。その中には、マヨの名前も転がっていた。

キリキリとセンマイが擦れて腹が痛む。こんな気持ちになったのは、母のウトミのコージョー勤務が決まった時以来だった。

マヨがゴミの犯した罪をホードーするわけがない。ゴミはそうハヤブサをくくっていたが、もしマヨがゴクツブシを恐れずにホードーした場合、アイウチゴハサンになることも考えられる。

先んじて何か手をうつべきだろうか。

適当な条例違反をデッチアゲればどうだろう、キツネもニンゲンコピーに対して詳しい調査はしないだろう。でもどうデッチアゲようか。

ヘド遺棄は件数も多すぎてキツネもウンザリゴメンだろう。ヒトツブシはそもそもツブれたヒトを用意するハードルが高い。

結局頭のなかであれでもないこれでもないと思考のキーウィオドリを炸裂させていると、絶対に、エイエンムリョウに縁のないはずの個人レンラクモウから、ゴミへあてた短いデンポーが届いた。


「スベテシル、ガッコウヘ、コイ」


差出人は、やはりマヨであった。

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