ターニングポイント第90話保険
経丸達が去ったあと一人の男が家来を連れて金崎のところへ参った。
「金崎殿。我らと同盟を結んでください」
「豊影殿何ゆえですか?あなたは萬崎殿と同盟を結んでいるではないのですか?」
「萬崎殿とも同盟を結んでおりますが萬崎殿は今、全国の大名を敵に回すことになりました。なので我ら金崎殿を味方に入れ萬崎殿と共に全国の大名を相手にしようと思います」
「いやそれは断ります。どちらに大義があるのかわからない戦には私は介入したくないので」
「そこをなんとか、同盟を結んでいただきたい」
金崎は萬崎の人柄を経丸から聞いていたがわざと
「だいたい全国の大名を敵に回すって事は萬崎が悪いからではないのか?」
こういう質問をした
「違います。萬崎殿と将軍の考え方が合わなかっただけのこと。それだけで将軍は全国の大名に攻め込むよう命じました。金崎殿はこの大勢の敵で倒すという将軍の考え方、卑怯だと思いませんか?」
豊影は義に熱い金崎に卑怯と言う言葉を使って説得しようとした。
豊影は金崎の性格を熟知していたのである。
「確かにそれなら可哀想です。萬崎殿とは同盟を結びましょう」
「ほんとですか?ありがたき幸せ」
豊影はわざとらしく金崎に土下座をした。
「しかし、豊影殿あなたとは同盟を結びません」
豊影は金崎の言葉に驚きながら
「なぜですか?なぜ同盟を結んでくださらないのですか」
金崎は刀をもってすごい迫力で豊影を睨み付けながら
「私の大事な人の父親を討ったあなたとなんか同盟を結べるわけないだでしょうが!!」
豊影は金崎の迫力に全身を震わせながら
「しかしあの時は仕方なかったのです」
「人を殺しておいて何が仕方なかったんですか?」
豊影は金崎の迫力にあまりに恐怖を感じて泣きながら
「ごめんなさい、許してください本当にごめんなさい」
全力で泣き出す豊影にあきれた金崎は
「もう、お引き取りください」
豊影と伊藤は慌てて春日山城を飛び出したのであった。
豊影は春日山城を出たあと伊藤に
「危なかったなぁ、一瞬ヒヤッとしたなぁ」
「しましたね、でもさすが豊影殿と思いましたよ。あの全力の嘘泣き見事でした」
豊影は嬉しそうに
「だろ、さすがだろ」
「はい」
二人は笑いあったのであった。
後日金崎は正式に萬崎とは同盟を結んだ。
その情報は天羽家にも届いた。
「金崎様が萬崎と同盟を結ばれたと?」
驚く片倉に稲荷は冷静に
「はい。そのようで」
経丸は笑顔で
「それはよかったですね」
「しかし、豊影が金崎様のところに行って同盟を求めたらしいんですよ」
「片倉さんなぜ豊影は金崎殿に同盟を持ちかけたんですかね?」
「多分、まだ萬崎殿を裏切れない事情があるから何としても萬崎殿に勝ってもらうために金崎殿と同盟を結んだんじゃないんですかね」
「なるほど」
「しかし、よかったですね。金崎殿が豊影と同盟を結ばなくて」
「確かにそれは本当によかった。ホットしましたよ」
「だよな経丸あいつと仲間にはなりたくないもんな」
経丸は力のこもった声で
「そうだね、ホントにそうだよね」
その頃萬崎は
「このまま暴力寺を攻めていたら全国の大名に一斉に襲われて滅亡する一旦兵を退いて体制を整えるぞ」
「はい」
萬崎軍は無念だが兵を引くことになったのであった
萬崎は悔しそうな顔をしながら
「爺やこの戦にかって天下をとってこの世を平和にするからな」
萬崎はそう言って爺やの肩を叩いた。
「はっ」
爺やは返事をし涙を流した。
その姿を見て萬崎は笑った。
これより萬崎対包囲軍の戦いが始まるのであった。




