ターニングポイント第86話過去
話は萬崎が将軍との話が終わった時にさかのぼる。
経丸は将軍から萬崎は副将軍を断ったと聞いてもの凄く驚いた経丸は萬崎に真相を聞きたいと思い萬崎の元に向かった。
「なぜ副将軍の座をお断りしたのですか?」
「経丸殿はなぜこの国が荒れたと思っておる?」
「将軍の跡目争いで将軍家が二つに分かれて
日ノ本中の大名を巻き込んで戦が行われたからですか?」
「そうだ、日ノ本を戦乱の世にしたのは将軍家の身勝手な跡目争いだ、そんなくだらないことが原因で百年も戦乱が続き何百万人の命が戦乱の世に消えていってしまったんだ」
「そんな将軍から任命された役職などカスも同然だ」
経丸は萬崎の言葉に衝撃を受けた。萬崎の言っている事は正しい。この人は本当に私利私欲で動いていない、私はそこまで本質をとらえきれてなかった。この人はちゃんと善悪を把握している、周りに流されない自分をちゃんと持った人だ。
萬崎は気持ちを込めた声で
「だけど、まだ将軍の権力は他の大名には使える。だから使えるだけ使ったら切り捨てて俺が天下を統一してこの日ノ本から戦をなくす‼これが俺の夢だ」
天下統一⁉日ノ本から戦をなくす⁉私も含め他の大名が自分の土地を守る事や近隣の土地を侵略することしか考えてないのに萬崎殿は日ノ本全体を考えていてしかもこの日ノ本から戦をなくす事を考えてるなんてスケールが違い過ぎる。そしてそのとてつもない夢を本気で叶えるために実行してるんだ。
経丸は萬崎のあまりの考えている事のスケールの大きさに度肝を抜かれたのであった。
萬崎は経丸に優しい表情で
「経丸殿、まだ時間はありますか?」
「はい、あります」
「俺は昔、四つ下の弟がいたんだ」
回想
「おーい真一」
萬崎はそう叫びながら城内を歩き回っていると
「何ですか?兄上」
「真一、俺の今日の初陣に付いて参れ」
「え?私戦に行くのですか?」
「そうだよ、兄の武勇を見に来い」
「いや、私は兄上と違い武術に長けておりません足手まといになるだけでございます」
「大丈夫、俺は最強だからとりあえずついて参れ」
萬崎は無理やり弟真一を連れて戦に向かった。
戦を舐めていた萬崎は初陣で若松軍にこてんぱにやられた。
勢いに乗った若松軍はだんだんと萬崎軍を壊滅させ
「殿、敵は本陣まで攻め込んで来ます。ここは一旦退きましょう」
萬崎は圧倒的に押されている味方を見て
なぜだ?なぜこの天才的な俺が負けて退かなきゃならないのだ
萬崎にはこの光景が信じられず家臣の言葉など耳に入らずただただ立ち尽くすしかなかった。
そうこういているうちに若松軍は萬崎軍本陣まで流れ込んできた。
「萬崎智之発見‼後は討つのみ!」
敵兵は萬崎に向かって刀を振りかざした。
萬崎は斬られると思ったその時だった。
グサッ
鈍い音が萬崎の目の前でしたと思ったら真一が体を盾にしてまでして萬崎をかばった。
「おい、真一‼おい‼」
萬崎は我に返って真一を刺した敵兵を討ち取ってから真一を抱えて馬に乗り慌ててその場を退いた。
萬崎は真一を抱えながら勢いよく城に向かって馬を走らせる
「真一、大丈夫か必ず城までつれて怪我の手当てをしてやるからそれまで耐えてくれ」
「兄上、話したいことがあります」
「なんだ、申してみろ」
「私は平和な時代に生きたかった、平和な時代に生きて兄上ともっともっと遊びたかった」
「なんだよ、急にどうしたんだ」
「兄上、お願いしますこの世から戦をなくして平和な時代を兄上の手で作ってください」
「俺が時代を作る?」
「はい、兄上ならできると思いますだから約束してください。この世から戦をなくして平和な時代にすることを」
真一から大量の血が流れ出る。
「私は兄上が兄で本当に楽しかった」
真一はスッーっと息を引きとった。
「おい、真一‼真一‼」
萬崎は泣き叫んだのであった。
後日萬崎は真一を弔い墓を建てた。
萬崎は墓の前で手をあわせながら
「真一、俺お前との約束必ず果たすよ。必ずこの世を平和にして見せるから」
回想終わり
経丸は萬崎の過去を聞いて涙を流しながら
「なぜ、私にこのような大事な事を教えてくださるのですか?」
萬崎は上を向いて
「なんとなく、話したい気分になっただけだよ」
そう言って萬崎は経丸の肩をポンと叩いた。
萬崎の過去を聞いた経丸は萬崎に強い親近感を持ったのであった。




