表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/159

ターニングポイント第63話琵琶

ここは琵琶家の領土滋賀の小谷城


 萬崎は小谷城までの道のり約百キロ馬に乗って一人で走って来たのだった。


 萬崎は馬から降りて大きく両手を天に向かって上げて伸びをして


「やっーと着いた、どれ程の男か今確かめてやる」


 門番が萬崎に向かって


「お前は何者だ」


 萬崎は門番に怒鳴るように


「貴様、俺に向かってなんだ。その態度は」


 萬崎は門番に刀を向けた。


 門番は大声で


「この男を捕らえよ!」


 この一言で一斉に城を守っている兵が集めって来て萬崎は簡単に捕らえられた。


 萬崎は抑えつけてくる門番に


「お主達今離せばまだ打ち首は免除してやるぞ」


 門番達は萬崎の話に聞く耳を持たずに


「黙れ、さっさと歩け」


 萬崎は門番達に城の中に連れられて行った。


「殿、失礼します」


 門番が小谷城城主琵琶大和のいる部屋を開けた。


「殿、城の前にいたわけのわからない者を捕まえて来ました」


 萬崎は高身長で体を鍛え上げられている顔立ちの整ったイケメン見て「おっ、あなたが琵琶大和殿だな」


と叫んだ。


「お前ごときが殿に話かけるなんて失礼だろ」


 門番は萬崎の頭を叩いた。


 萬崎は門番を睨みつけながら


 お前後で覚えてろ、絶対に処刑してやるからな


 琵琶大和は萬崎の顔を見て慌てて


「すみません、その方の縄をほどいてください」


「殿、なぜですか!こいつは不審者ですぞ」


「この方は萬崎様ですよ」


「えっえー!」


 門番は驚いたそれもそのはず、普通の大名が他の大名の領地に連絡もせずにましてや一人で乗り込むなど考えられる行為ではないのである。


「萬崎様、家来がご無礼をして誠にすみません」


 頭を下げる琵琶に萬崎は強い口調で


「こいつは死刑にしろ」


「すみません、それだけは勘弁してください」


 琵琶湖は萬崎に土下座をした。

 そこまでされた萬崎は


「お前、今回は琵琶殿に免じて許してやる。以後気をつけろよ」


「はっ、申し訳ございませんでした」


 門番はさっきの態度とはうって変わって萬崎に土下座した。


「しかし、琵琶殿なんで俺の事がわかった?」


「この前熱田で商売している萬崎殿を見ましたから」


 萬崎は嬉しそうに


「そっか、来てたのか俺が売っていた物買ったか?」


「はい、もちろん買いました」


 萬崎は上機嫌になり


「琵琶殿いい奴だな」


「ありがとうございます」


 二人はしばらく談笑した後


「ところで今日は何の用ですか?」


 萬崎はその質問にたいして一呼吸おいて


「琵琶殿が俺の妹の夫にふさわしいかどうか見に来た」


「一人でですか?」


「あぁ」


 これがあの萬崎殿やはり変わっているお方だ、妹の夫にふさわしいかどうかを見に来るために他の大名の領地に一人で乗り込むなど

危険すぎることをするなんて普通の人には考えつかん


「それで俺はお主の本性を見るために今日からしばらくここで生活させていただきたい」


 萬崎殿は何を考えているのだ?人の城に護衛を付けずに乗り込んで来てそれでここで生活するなどと言って我に殺されるかもとかそういう心配はないのだろうか


「しかし萬崎殿がいなくて家の方は大丈夫なのですか?」


「大丈夫だ、俺には優秀な家臣がたくさんおるからな」


 琵琶は萬崎の肝が据わっているのを見て


 ここは下手に断らない方がよいかもな萬崎殿は何するかわからないからな


「そうですか、では我々はかまいませぬ」


「そうかそりゃ、よかった、じゃあこれからしばらく頼むぞ」


「はい」


 こうして萬崎の須貝家への居候生活が始まった。


 萬崎は一日もたたないうちに


 一番いい部屋の座敷で寝っ転がりながら


「ほれ、甘い物を持ってこい」


「はっ、はい」


 萬崎は琵琶の城で自分の城のようにくつろぎそして須貝の家臣達を自分の家臣のように扱っていた。



 家臣達は日に日に萬崎の態度に頭を抱えていった。



 萬崎の居候が一週間たったある日


 家臣達は琵琶の部屋に押しかけ


「殿、萬崎の奴いつまで置いとくのですか?」


 須貝は苦笑いを浮かべながら


「いやぁ、それは我にもわかりません、すみませんががもうしばらく辛抱してください」


 萬崎はそんなこともつゆ知らず琵琶の部屋を勝手に開けてのんきな声で


「おーい琵琶殿、釣りに行きたい釣りに行こうぜ」


 琵琶はいきなり現れた萬崎に驚きながら


「えっ、釣りですか?」


「そうだ、いいから行くぞ」


 須貝はニコッとした作り笑いで


「僕も行きたいとこでした」


 萬崎は須貝の顔を見て


「どうした、急に作り笑いなんてして」


 琵琶は慌てながら


「いや、作り笑いなんてそんな」


「まぁ、いいや行くぞ」


 萬崎は須貝を引っ張って連れて行った。


 その様子を見ていた家臣達は


「全く、殿も萬崎のいいなりだな」


「まぁ萬崎はあの若松を倒した男だからなぁ」




 その頃城を出た萬崎と琵琶は


「おい、琵琶殿この辺だとどこが釣れる?」


「この辺は海がなく、でも日ノ本一大きな湖、琵琶湖ってものならあります」


「日ノ本一大きな湖、琵琶湖か我は行ったことない、ぜひ連れていけ」


「はい、もちろん」


 萬崎は須貝と湖に向かった。


「ここが琵琶湖でございます」


 そこには真っ青な大きな湖が広がっていた。


 萬崎は興奮気味に


「うわぁーでけぇーヤッホー」


「萬崎殿、山にいる時みたいな声を出しますね」


「大きい声出すと気持ちいいからな、琵琶殿も出してみろ」


 琵琶の出した大きな声に萬崎は笑顔で


「ほら、気持ちいいだろ」


「はい、気持ちいいです」



二人は釣りを始めた。


琵琶はなれているのかよく釣れるが萬崎は全く釣れない。


琵琶は自分から萬崎に丁寧に釣りを教える


「ひいてますよ、ひいてますよ」


「もうあげて大丈夫か?」


「まだです。もうちょっとエサを食べさせてください」


しばらく二人は竿の先を見つめている。


「今です」


萬崎は竿を上げると


「おい、魚が掛かってる早く網を」


琵琶は素早く網を差し出し萬崎は見事に魚を釣り上げた。


「凄いですね。大物ですよこれは」


「ホントだなぉ、俺凄いだろ」


「凄いです。凄いです」




その後も二人は仲良くじゃんじゃん魚を釣り上げたのだった。




萬崎は釣りの帰り道


「なぁ琵琶殿」


「なんでしょうか?」

 

「琵琶殿に智江を託そうと思う」


「えっ、えっ?今なんと⁉」


 琵琶は驚いた。


 萬崎は真剣な目で琵琶に。


「琵琶殿に智江をやる」


 やっぱり聞き間違いではない


「まことですか?」


「あぁ、武士に二言はない」


「あっ、ありがとうございます」

 

「智江をよろしくお願いします」


 萬崎は琵琶に土下座した。


 琵琶は萬崎の土下座に驚き


「こちらこそよろしくお願いします」


 すぐに琵琶も土下座した。


「これから共にこの日ノ本を平和な国にしようじゃないか」


 萬崎はそう言って右手を差し出した。


「はっはい、私は萬崎殿の天下統一事業をお支えします」


 須貝はそう言って手を差し出した。


 二人は立ち上がり落ちていく夕日を眺めた。


「琵琶殿、妹を不幸にしたら殺すからな」


「はっはい、もちろん幸せにしますよ」


 琵琶は裏返った声で返事をした。


萬崎は満面の笑みで


「それと今日はとても楽しかったぞ!」


「こちらこそ楽しかったです」


「堅いよ琵琶殿」


「すみません」


 萬崎は笑いながら


「俺今日から琵琶殿の事やまちゃんって呼ぶね」


萬崎の発言に琵琶は少し驚きながら


「やっ、やまちゃんですか?」


「おう、やまちゃんだ。いいあだ名だろ」


「そうですね。ありがとうございます」


「だからやまちゃんは俺のこと兄ちゃんと呼んでくれ」


「兄ちゃんですか?」


「そうだ、やまちゃんは俺の弟になるんだから」


「しかし、萬崎殿は兄ちゃんってそんな可愛い感じのお方ではないじゃないですか」


「やかましいわ、俺は本当は可愛いんだぞ」


 二人は笑いあった。


 こうして二人は絆を結んだのであった。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ