ターニングポイント第61話援軍
自分の居城、那古野城に着いた萬崎は自分の部屋で天子の太ももの上に頭を置いて
「はぁーっ疲れた」
天子は萬崎の頭を軽くなでながら
「殿、此度は誠にありがとうございました」
「まぁ、いいってことよ、お礼として胸を触らせよ」
萬崎はそう言って天子の胸を触り始めた。
天子はいきなり触られて驚き
「殿、やめてください」
「いいではないか」
天子も呆れながらもまんざらでもなく二人はイチャイチャしているといきなり戸が開き
「殿‼申し上げます」
二人は驚き天子の太ももに頭を置いていた萬崎は畳に強く頭を打ちつけた。
萬崎はせっかく天子とイチャイチャしてたのと頭を畳に打ちつけたことでイライラしながら家来を睨みつけ
「要件はなんだ」
家来は萬崎に睨まれてビビって震えた声で
「天子様の兄が天子様の父上相手に挙兵しました‼」
その言葉に天子は驚きながら
「兄が⁉」
「はい」
へなへなと座り込む天子に萬崎は優しく自分の胸に抱き寄せ背中をさすりながら
「落ち着いて、落ち着いて」
天子は少し落ち着き天子が落ち着いたタイミングで萬崎は
「兄はどんな感じの人なのだ?」
「異母兄弟なので私はあまり関りがないのですが他人への嫉妬心が強く器も小さいので立派な大将になれないと言われています」
萬崎は顔を引きつらせながら
「すげぇーきついな、天子」
「しかし殿、天子様の言っていることは正しいと思います」
「どういう事だ?」
天子様の兄が挙兵した理由は天子様の父上が殿の事を「あいつは優秀だ、将来大物になるからお主はあいつの言うことを聞いていれば岐阜は安泰だ」と申したからだそうです」
萬崎は驚いた声で
「えっ、ちょっと待って原因俺‼」
家来は即答で
「はい、そうです」
萬崎は心の中で
待って、嫉妬で挙兵って確かに器小さいわ‼
とツッコんでいた。
「でもそんな人間ならついて来るものが少なくて父上が圧勝するのではないのか?」
萬崎の問いに天子は
「いや、それが父上は家督を兄に譲っているので父には少しの家臣しかいませんそれとこれを好機と父に岐阜の支配を奪われた者と近隣の大名が兄に付くでしょう」
「なぜ、近隣の大名が兄に付くんだ?」
「バカが大名になった方が後に落としやすいからですよ」
萬崎はツッコむように
「めちゃくちゃきつい言い方!」
萬崎は天子の言葉に少し顔をひきつらせたのであった。
萬崎は立ち上がり
「俺は義父のところに援軍として向かうだから明日ここをたつ!」
天子は驚き
「急ではありませんか、まだ帰って来たばかりですよ」
萬崎は天子の顔を両手で包み込むようにしながら
「お主の大事な父上を守るには一刻も援軍を出さねばなるまい」
天子は萬崎の心遣いに涙を流した。
そして次の日萬崎は連れていけるだけの兵三千五百を率いて義父の元に向かった。
大きな川、長良川を挟んで義父と兄は向かい合うように布陣した。
義父の陣営では
「殿、我が軍は二千に対して相手は一万八千でございます。到底勝ち目がありません」
義父は笑いながら
「相手にやる気のある兵は千もおらぬわ」
そう言って家臣を安心させたが心の中では
この戦でワシは死ぬ覚悟ができておる、今さら引けぬわけがなかろう
午前九時兄側の兵が義父側の陣営の左翼に向かって突き進んで来て戦へと発展した。
義父はその様子を見てニヤリとしながら
最後の戦だ、楽しませてくれよ
兄側の兵は勢いよく突き進んだがことごとく義父側の兵に返り討ちにあった。
兵力差で圧倒するはずの兄側が苦戦をしいられている事に兄はイライラが止まらなく遂に全軍に総攻撃の命を下したのであった。
一時は優位を保っていた義父上側だったがこの総攻撃により左翼が崩れ一気に形成逆転されたのであった。
その頃、萬崎は二人の戦場まで四キロくらいまでに迫っていたのであった。
さらに時がたち戦況は明らかに兄側が有利になっていた。
この状況に義父は
「もはやこれまでだ、介錯をせい」
義父が介錯を頼もうとすると慌てて来た家来が
「申し上げます、萬崎智晴の軍三千五百が我らの援軍として来ました」
義父は少し目を潤ませながら
「バカ婿が、この負け戦に来やがって」
義父は萬崎の援軍の知らせを聞いてまだ戦う事決意ししばらく戦ったのだがやはり兵力差には勝てずもはや壊滅寸前まで追い込まれた。
「お主、これを婿殿に届けよ」
義父は家来に一枚の手紙を渡した。家来は丁寧に受け取って
「はい‼」
「いいか、何がなんでも届けるのだぞ」
「はい‼」
家来が萬崎の元に向かって行くのを確認し
義父は戦場に打って出て華やかに討ち死にしたのであった。
兄側の軍と交戦中の萬崎軍は
萬崎は大声で
「まだ、義父を救う事ができる、皆の者根性を出せー‼」
萬崎軍はものすごい気迫で次々と兄側の兵を討ち取っていったが一人の男が萬崎の前に息を切らしながら現れ
「申し上げます、我が主が討ち死にしました」
萬崎は驚き
「ホントか」
「はい、見事な最期でした」
萬崎はその場で膝から崩れ落ち悔しくて、悔しくて仕方なく何度も地面を右手で拳を作って殴りつけながら
「くっそー、くっそー!」
萬崎軍は無念にも退却したのであった。
無事、那古野城に戻った萬崎を天子は優しく迎えた。
萬崎は優しく迎えた天子に悔しそうな表情で
「義父を救う事ができなかった。すまない」
天子は優しく萬崎を抱きしめ泣きながら震える声で
「殿、ありがとうございました」
後日、萬崎の元に届いた義父からの手紙には岐阜を譲るそして天子の事をくれぐれもよろしく頼むと書いてあったのだった。




