ターニングポイント 第59話反撃
池山暴走はいきなり炎上した大多喜城を見て
「おい、城が燃えているどういう事だ!誰か攻め込んだのか」
「申し上げます、天羽家自らが火を放って自害したもよう」
「経丸が自害したのか?」
「まだ、遺体は確認できてませんが城の燃え方が上の階から燃えているのでおそらく天羽家の者が火を放ち経丸達は自害したと思われます」
「そうか、わかった今日はもう皆に武具を脱がせて休憩させよ」
「はい、わかりました」
その頃経丸達は脱出に成功しひのと海老太郎と伏兵達と合流した。
皆は経丸の気持ちを思うと辛くなり誰も言葉を発する事も出来なくてお通夜みたいに静まり返っている。
経丸は燃えている大多喜城を見ると辛くなるので大多喜城に背中を向けて皆の前で元気を装って
「さぁ、皆ここまで作戦どおりに進んでるから後は私達が反撃する番だよ」
士郎はバーンと両手を叩いて
「おっしゃー、経丸が気丈に振舞ってくれてるんだ・それがし達が経丸に元気出させてあげなくちゃダメだろ!」
「ジャガイモ、たまにはいい事言うじゃん」
「おい、誰がジャガイモだ!」
片倉と士郎のやり取りに皆笑った。
士郎は真剣な顏で
「冗談はともかく、俺達は大事な城を失ったこの怒りを大山軍にぶつけて徹底的に叩き潰そうぜ」
凛も士郎に同調するように
「そうだね、天羽家の凄さを見せつけましょう」
大山軍の様子を探っていた稲荷が現れて
「殿、大山軍は武具を外して戦勝祝いをしております」
経丸は嫌味っぽい口調で
「おめでたい人達ですね、まだ戦は終わってないのに」
経丸は真剣な顏で
「皆さん、天羽家の恐ろしさを大山軍に見せつけてやりましょう」
皆は声を揃えて
「オー‼」
経丸達は夜が深くなった頃物音を立てないようにして戦勝祝いでおおはしゃぎで酔っている大山軍に近づき
「皆、徹底的に暴れましょう今だ、かかれー!!」
経丸の号令で一斉に天羽軍は大山軍に襲い掛かった。
いきなり背後の草むらから天羽軍に襲われた大山軍は大混乱となった。
経丸は大きな声で
「天瞬羽突‼」
片倉も経丸に続くように
「懸命守覚‼」
ひのは冷静に素早い鉄扇さばきで
「てんてこ舞い‼」
海老太郎は「ひびせいちょう‼」と叫びながら敵兵を撃ち抜いて行く
そして我らが主人公外岡士郎は経丸の背後から攻撃しようとする敵兵を稲荷と息のあったコンビネーションで「気持ちー‼気持ちー‼」と叫びながら斬り伏せて行った。
6人が勢いよく敵兵を切り伏せていくのを目の当たりにしている天羽軍の兵達は自分達も頑張らなきゃと思い奮起しながら敵兵を斬り伏せていった。
「総長、天羽軍が奇襲をかけて来ました」
大山は冷静な口調で
「経丸は死んだのじゃないのか」
「死んでなかったみたいです」
「わかった、撤退しよう」
「えっ、戦わないのですか?」
「今の俺の状況は太松太郎と同じだ」
大山暴走は素早く馬に乗って
「俺は撤退する、皆ついてこい」
大山暴走は勢いよく小田原に向かって走り出した。
その頃天羽家は
「大山暴走はどこだ」
敵を斬り伏せながら叫ぶ士郎に息を切らしながら走って来た伝令が
「大山軍の一部が撤退を開始したそうです」
「おっしゃー、逃げ出したかなら追いかけるか」
「士郎、深追いはよせ」
「何でですか、今こそ大山を討ち取るチャンスですよ」
「この暗いなか勢いだけで追撃したらこちらも多大な犠牲を払うことになる」
片倉は優しく士郎の頭をポンと叩いて
「もうこの戦は我らの勝ち戦だ、無理する必要はない」
「そうだな、じゃあ勝ち戦ってことで、殿勝ち鬨を上げますか」
経丸は笑顔で
「そうだね」
士郎は拳を天に突き上げて
「それがしらは関東最強の大山軍に勝ったぞー!」
士郎の言葉に皆は大きな声で「よっしゃー!」と答えた。
勝ち鬨を皆で上げた後天羽家は大多喜城の城下町で戦勝祝いの宴会を開いた。
士郎は上機嫌で稲荷の肩を組みながら
「関東最強の大山軍に勝ったそれがしらは日の本一最強だな」
稲荷も同調するように
「皆の戦いぶり凄かったよ」
「まぁ、皆の戦いぶりも凄かったけどやはり凛ちゃんの作戦が大山軍の意表を突いたから我らは勝てたんだよ」
「いや、でも私の作戦のせいで大多喜城は燃えてしまって」
経丸は凛の肩をポンと優しく叩いて
「凛ちゃん、あなたの作戦が私達を守ってくれたんですこうして皆で楽しく飲めているのは凛ちゃんのおかげだよ」
凛は経丸の言葉にグッときながら
「殿、ありがたきお言葉」
二人は抱き合った。
その後の宴会は物凄く盛り上がったのだった。
宴会が終わった後士郎は経丸を呼んだ。
「珍しいな、士郎から私を呼ぶなんて」
「経丸、それがしは今回の戦は経丸が一番頑張ってたと思って、それがし経丸にご褒美をあげたいと思ってる何が欲しいですか?」
経丸は笑顔で
「ご褒美をあげたい?家臣のくせに生意気だわ」
「生意気かもしれないけど今回の経丸は辛い思いをしても皆の前では弱みを見せずにみんなを引っ張って関東最強の大山軍に勝ったんだからそれがしは何か経丸にあげたくて」
経丸はいつものふざけた士郎と違い真面目な顔の士郎を見て
「そこまで言うならもらおうかな」
「何が欲しい?」
経丸はいきなり士郎の唇にキスをした。
いきなりキスされて驚く士郎に経丸は
「これでまた私頑張れるわ」
そう言って去って行ったのであった。
士郎はあっけにとられてその場にたちつくしたのであった。
何だったんだ、今のは
この戦で関東制覇を目指す大山暴走は千葉下半分を制圧するのを一旦諦め天羽家と停戦協定を結んで群馬、埼玉、東京、茨木の完全制圧を目指すのであった。




