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ターニングポイント 第56話決意

天羽、金崎連合軍は松山城から大山軍を追い出し松山城は金崎軍の支配下に収まることになった。


 金崎は皆を集めて


「士郎君も救出できたし今日はおめでたいので皆飲みましょう」


「先生、今日はじゃなくて今日もでしょ」


 士郎の言葉に金崎は


「細かいよ、士郎君」


 経丸も同調するように


「ホント、いつも変なところ細かいんですよ日本語しゃべるの下手なくせに」


「下手じゃないわ!」


 凛も経丸に同調するように


「そうそう、部屋も綺麗じゃないくせに」


「部屋の事は関係ないだろ‼」


 金崎は笑いながら


「あなた達仲がよくていいね」


 三人は声を揃えて


「よくないですー‼」


 皆は楽しく飲んで翌日天羽軍は大多喜に金崎軍は新潟春日山に戻ったのであった。




 経丸達は無事大多喜城に着いてゆっくり休んでいると稲荷が慌てて経丸の元に駆け寄り


「殿!大山軍が攻めて来ます」


 経丸は驚きながらも落ち着いていて


「やはり、攻めて来ますか稲荷さん皆を集めてください」


「はい!」


 稲荷は速やかに皆を経丸の前に集めた。


「皆さん、大山軍が攻めてくるとの情報が入って来ました」


 片倉は冷静に


「やはりそうですか、では金崎殿に援軍を頼むのですか?」


「もう金崎殿は三国峠を越えてしまっているので間に合わないと思います」


「いいじゃん、それがし達だけで大山軍を打ちのめしてやれば」


 凛は真剣な顏で


「しかし、相手は大国戦うなら相当な覚悟が必要よ」


「そんなことはわかってるよな、経丸」


「もちろん覚悟はできてます」


「私の考えた策は殿に相当な覚悟が必要です」


「凛ちゃんが考えてくれた策とは」


「この戦一旦わざと負けます」


 凛の言葉に皆は驚いて声を揃えて


「わざと負ける⁉」


「まず、大山軍みたいな大軍にまともに戦えば絶滅は免れないだからまずはこちらが再起不能と大山軍に思われるぐらいまで負ける」


「その策で私がする相当な覚悟とは」


 凛は自分の言葉に覚悟を込め力強く


「この作戦の中で大多喜城を燃やします‼」


 経丸は驚きながら呟くように


「大多喜城を燃やす」


 驚く経丸の横で士郎は強い口調で


「凛、大多喜城を燃やす以外の策はないのか大多喜城は殿の今までの思い出が詰まった大事な城なんだよ」


 凛は断言するように


「ない、本気の大山軍に勝つにはこの策しか考えられない」


 士郎は立ち上がって強い口調で


「凛、この城は殿のすべてだ!お前はそのことを軽く考えてるんじゃないのか」


 経丸はスッと立ち上がり士郎の頬を思いっきりビンタし強い口調で


「士郎、凛ちゃんにそんな威圧的な言い方はないでしょ、凛ちゃんだってこの城のことを軽くなんか考えてないよ‼」


「凛ちゃんは覚悟を持って発言してくれたんだよ」


 士郎はスッと座り込んで


「凛、ごめん」


 謝られた凛は戸惑いながらも


「いいよ、別に」


「じゃあ、今回は凛ちゃんの策で決まりでいいですね」


 片倉が


「私も凛ちゃんと同じ考えだったので賛成です、どうせ形あるものは壊れるのですから」


 凛は自分で提案したとはいえこの大多喜を燃やすと決まる事に後ろめたさがあったが片倉の言葉に救われたのだった。


経丸の言葉に反対する者はいなかった。


 話し合いが終わった後経丸は士郎を大多喜城の外にある木の椅子に呼び寄せた。


「どうしたんだよ、それがしだけを呼んで」


 経丸は自分が座っている木の椅子を指さして


「士郎、この椅子凄く不細工な椅子だよね」


「何だよ、今さら五年も前にそれがしと作った椅子の文句を言うために呼んだのかよ」


 経丸は士郎の言葉を無視して城壁を指さして


「私と遊ぼうとこの城壁から侵入しようとして士郎頭から落ちて意識不明になったよね」


「それがどうしたんだよ」


「士郎、私に怒って城を腐らしてやるって言って毎日この石垣におしっこかけてたよね」


「はっはーはん殿、それがしに悪口言いたくて呼びつけたんですか?」


 経丸は切ない顔で


「これ全て燃えちゃうんだね」


 士郎は経丸の頭を優しくなぜた。


「さっきホントは士郎がこの城を燃やすのを反対してくれたの嬉しかったんだ」


 士郎は呟くように


「経丸」


「でもね、天羽家の当主として皆を守らなきゃいけないそのためには苦渋の決断だって必要なんだ」


 経丸は溢れ出てくる涙を堪えようとしながら


「だから、だから・・・」


 士郎は経丸をぎゅっと抱きしめて


「経丸、無理に涙を堪えなくていい思う存分泣きな胸かすから」


 経丸は士郎の言葉に甘えて色々な思い出を思い出しながら思う存分泣いた。



 そして経丸は泣いたことによって吹っ切れて大多喜城を燃やすことを決意するのであった。







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