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ターニングポイント 第55話松山

 金崎の過去を知った経丸は驚きながら


「金崎殿も最初は上手くいってなかったのですね」


「そうね、今の私があるのは経丸ちゃん、あなたのおかげですよ」


「いや、私なんか何もしてないですよ」


「あなたが士郎君を守った時の言葉を聞いたから私は弱虫当主から変われた、経丸ちゃんは強くなれます、私を強くしてくれたんですから」


「私、なれますかね強い当主に」


 金崎は笑いながら


「だから経丸ちゃん、ウジウジしてると士郎君に怒られますよ」


 経丸は先ほどまでの落ち込んだ表情は消えて真顔で


「士郎に怒られるのはイラつくのでウジウジするのはやめます」


 金崎は優しい口調で


「やっと経丸ちゃんらしいですよ」


「そうですか」


「うん、いい表情してるよ」


 経丸は嬉しそうな表情で


「ありがとうございます」


 金崎は優しく微笑んだのであった。


 経丸は稲荷を呼んで


「稲荷さん、士郎の居場所を突き止めてください」


「はい!」


「金崎殿、私は士郎を全力で助け出しに行きます」


「お供しましょう」


「ありがとうございます」


 経丸は深く金崎に頭を下げたのであった。


 夜遅く経丸は稲荷の報告座禅を組んで精神統一をしながら待った。


「殿、申し上げます士郎は生野山の近くの松山城にいます」


「わかりました」


 経丸は皆を集めて


 決意に満ち溢れた表情で


「今から、士郎を助けに行きます」


 海老太郎は経丸の表情を見て


「殿、何かあったんですか今の殿凄く強そうです」


 経丸は決め顔で


「私は強い、だって大多喜の英雄だから」


 海老太郎は真顔で


「いいですね、その言葉士郎さんがよく言う言葉と一緒ですね」


 経丸が恥ずかしそうに顔を真っ赤にしているのを片倉は見て海老太郎に小さい声で


「おい、余計な事言っちゃだめだよ」


 海老太郎は大きな声で熱い口調で


「いや、余計なんかじゃないですよ、殿は士郎さんが好きなんだから同じ言葉使っていいんですよ‼」


 経丸はますます顔を赤くし海老太郎と金崎以外は唖然とした。


「まぁ、とにかく皆相手は強いけど気持ちで負けちゃダメですからね」


 金崎はニコッとした表情で


「経丸ちゃん、それじゃ締まらないかな」


 金崎の言葉に経丸は少し驚いて


「えっ、」


 金崎は少し意地悪そうな顔で


「気持ちを強く言う言葉があるでしょ」


経丸はやけになって大きな声で


「気持ちー‼気持ちー‼」




 経丸達は気合を入れて松山城に向かったのである。


 明け方四時頃に松山城前に着いた天羽軍と金崎軍


 経丸は皆に向かって真剣な顏で


「今から、士郎を救出する皆気持ちー‼気持ちー‼」


 経丸、金崎を先頭に天羽、金崎連合軍は松山城に突撃したのである。


 急に奇襲された大山軍は


「総長、金崎、天羽連合軍が攻めて来ました」


「何、天羽軍をあんだけ痛めつけて戦意喪失させたと思ったのに」


 そう言いながらも大山暴走は刀を持ち


「こんな事する敵はこの手で蹴散らしてやる」


 大山暴走が戦闘に参加したことによって大山軍は士気が上がり一方的にやられていた展開からなんとか盛り返そうとしていた。


 この混乱の最中


 金崎は向かってくる敵を「美刀乱舞‼」と叫びながら圧倒的強さの一振りで蹴散らして道を切り開いて


「経丸ちゃん、ここは私に任せて皆と一緒に士郎君を助け出してきな」


「すみません、わかりました」


 経丸達は急いで士郎の居場所に向かった。


 襲い掛かってくる敵を経丸は「天瞬羽突‼」

と叫びながら敵の急所を突いて倒していき片倉は「懸命守覚‼」と叫びながら長槍を振り回して力で敵を斬り倒していき海老太郎は「ひびせいちょう‼」と叫びながら弓で撃ちぬいていきひのは「てんてこ舞い‼」と叫びながら素早い抜刀で斬り倒していった。


 凛は先に進む稲荷を見失わないように必死に敵の攻撃をよけながら稲荷に付いて行き皆を大声で稲荷の行き先を叫びながら皆を誘導していった。




その頃士郎は


「はっ?天羽軍が攻めてきたからそれがしを殺す!!」


「当たり前だろ、お前は人質なんだから殺されて当然だろ」


士郎は慌てて


「ちょっと待って、ちょっと待って一旦落ち着こう。深呼吸、深呼吸」


大山の家来達は冷静に


「お前だけだぞ。落ち着いてないのは」


「なぁ、それがし殺すのはやめとこうよ。これでもそれがし大多喜の英雄だぞ」


「皆の者こいつを縛り上げろ」


「はい」


士郎は「経丸、ハリー!ハリーアップ!!」と叫びながら必死で逃げ回るが捕まってしまい拘束されると


「お前、最後に残す言葉は?」


士郎は恐怖で漏らしながら


「待って、待って本当にそれがしを殺すの?」


「覚悟を決めよ。お前は殺されんだ」


「嫌だぁー!嫌だぁー!まだ生きたい。まだ生きたい!!助けてー経丸!!」


大山の家来達は泣き叫ぶ士郎に対して真顔で


「お前武士として情けなくないか?恥だと思わないのか」


「恥なんてどうだっていいんだ。そんなことよりそれがしは生きたいんだ。助けてぇー経丸!!」


士郎が泣き叫んでいると


部屋の戸が思いっきりバーンと音を立てて開けて


「士郎‼」と経丸が叫ぶと


 先ほどまで泣き叫んでいた。士郎はキリっとした表情で


「おっ、遅かったではないか」


士郎の表情に経丸は呆れながら


「いやいや、士郎その表情は無理でしょ。さっきまで泣き叫んでるの城中に響き渡ってたからね」


士郎は恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら


「お前が早く助けに来ないから、こっちは恐かったんだぞ。殺されるとこだったんだぞ」


「まぁ、よい今助けてやる」


経丸達は簡単に大山の家来達を斬り倒した。


「おっ、サンキューサンキュー助かったよ」


 士郎の態度に経丸は


「何でそんな軽い感じなんだもっと感謝の気持ちはないのか」


 経丸の言葉に士郎は


「だって、元はと言えば経丸の戦法ミスでそれがしは捕まったんだから、むしろそれがしにお礼を言うべきだよね」


 経丸は顔を真っ赤にしながら強い口調で


「士郎が捕まった時に落ち込んだ私の時間を返せ!」


「知らねぇよ、お前が勝手に落ち込んだんだろ」


 揉める二人に片倉は


「二人とも揉めてる場合じゃないですよ」


 士郎は真顔で


「揉めてる場合だよ、窓の外見てみろ」


 士郎に言われて皆が窓の外を見ている間に


士郎は経丸を隣の部屋に連れ込み後ろから抱きしめ


「経丸、無事でよかった」


 経丸は驚きながら


「士郎、私の事心配してたのか?」


 士郎は小さい声で


「そうだよ」


「私も士郎が心配だった」


「ありがとう」


 そう言って士郎は少し強く経丸を抱きしめる経丸は士郎に


「ねぇ、言いづらいけどなんか濡れてないか?」


 士郎は優しい口調で


「ごめん、それがし漏らしちゃったんだ」


 経丸は大声で


「最低!士郎ってホントに最低!!」


 経丸の大声で隣の部屋にいた皆が戸を開けて


「殿達何してたんですか?」


 士郎と経丸は慌てながら


「いや、その」


 海老太郎が


「イチャイチャしたいのなら僕らの前でしてもいいですよねぇひっのー」


 ひのも真顔で


「そうですね、していいと思います」


 凛も思わず笑いながら


「いいって許可でもましたよ、お二人さん」


 士郎と経丸は声を揃えて


「違うから、全然イチャイチャとかじゃないから」


 皆は声を揃えて


「どうだか」


「あっ、そういえば大山軍は」


 士郎は呆れた感じで


「経丸、大山軍は金崎軍にやられて撤退しましたよ、その様子を皆窓から見てたんじゃないですか」


「あっそうだったんだね」


 恥かしさで下を向く経丸に凛はニヤニヤした顔で


「まぁ、経丸さんは兄貴とのイチャイチャに頭いっぱいだったんですもんね」


 経丸は大きな声で


「ちがーう!」


 皆は笑った。


 こうして天羽家は無事士郎を救出したのであった。




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