表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/159

ターニングポイント 第51話二手

八王子城を落した天羽軍と金崎軍は金崎のおごりでとても豪華な食事を皆で楽しんでいた。


 士郎はご馳走を口に乱暴に突っ込みながら


「おいチビる、金崎軍のご馳走はやはり格が違うな、旨そうなのが多くて目移りしちゃうよな」


「ほんとだな、すごいね」


 稲荷の反応に士郎は


「何でお前、反応薄いんだよ」


 いちゃもんをつけてくる士郎に稲荷は嫌な顔しながら


「いいじゃんか、別に反応が薄くったって」


「いいや、よくない海老太郎を見てろよ」


 士郎は海老太郎に


「おい海老太郎、金崎軍のご馳走はやはり格が違うな、旨そうなのが多くて目移りしちゃうよな」


 海老太郎は真顔で


「格って何ですか?」


 士郎は思わずずっこけた。


 稲荷はクスクス笑った。


 海老太郎は片倉に


「格って何ですか?」


「格ってのはレベルの違いってこと」


 海老太郎は真顔で


「片倉さん格の意味知ってましたか?」


 片倉はツッコむように


「知っていたから説明したんだろ‼」


 天羽家の皆がわいわい楽しんでいる中,経丸は上機嫌でお酒を飲んでいる金崎の隣に座っていた。


「経丸ちゃん、勝ち戦の後のお酒はおいしいね」


 経丸は浮かない顔で


「私は金崎様と違って何もできてません」


 金崎は優しい表情で


「経丸ちゃんこれからが本番だよ」


「でも、私なんか何もできないんじゃ」


 金崎は経丸の両頬を両手で掴んで


「私は経丸ちゃんに期待してるからね」


 経丸は金崎の言葉に嬉しくなり


「はい、頑張ります」


 金崎は経丸の表情を見て


 この子に自信を持たせるには一人で城を落させた方がいいと思い


「経丸ちゃん、私ら二手に分かれて行動しませんか?」


「私はこの辺りの城を落していきます、経丸ちゃんは先に進軍し松山城を攻略してください」


 金崎にいいところを見せたい経丸はこれはチャンスだと思い意気込んで

「はい、わかりました」


 と大きな声で返事をしたのであった。


 そして翌日金崎はこの辺りの支城を落しに


向かう金崎の背中を見て経丸は気合を入れ


「私達も金崎殿に負けないように出陣じゃあー‼」

「おー‼」


経丸達は埼玉県にある松山城に向かったのであった。


 海老太郎は進軍中にやってやるんだという気持ちに溢れて気合の入っている経丸を見て


「なんか殿凄い気合い入ってるね」


「そりゃそうだよ海老太郎君、殿は憧れの金崎殿にいい所見せたいんだからだから私達も頑張ろう」


 海老太郎はニコニコしながら


「そうですね、頑張りましょう足が鳴りますね」


 凛は呆れた感じで


「海老太郎君それを言うなら腕でしょ」


「あっ、それですよ凛ちゃん」


 バカな会話の途中で片倉が真剣な顏で


「海老太郎君、頑張ろうとしすぎて空回りしないようにね」


 海老太郎は嬉しそうに


「片倉さん、僕の事心配してくれるのですか?」


 片倉は照れ臭そうに


「まぁな」


 海老太郎は笑顔で


「片倉さん好きです、大好きです、なんか心臓がドキドキします触ってみてください」


 片倉は思わず笑いながらツッコむように


「何急に変なこと言ってんだよ」


 皆笑ったが皆が笑っているなか士郎一人だけは松山城に行くまでの道中ずっと真剣な顏をしていたのであった。


 経丸達は松山城に向かっている途中埼玉県美里町を進軍していると生野山いきなり物凄い物音が聞こえ経丸達は動きを止める。


 経丸は不安そうな声で


「何の音ですか?」


「何の音かわかりませんがこっちに音が段々と向かって来ています」


 片倉の言葉に天羽軍に緊張が走る。 


 しばらくすると生野山を下って来る大群の兵が経丸達の前に姿を現した。


「あの旗印は大山軍の者。なぜここに大山軍が⁉」


 いきなりの大山軍の出現にビビる経丸に士郎は冷静に


「ここは一旦引こう」


「いや、戦いもせずに引けやしないよ」


 士郎は強い口調で


「何言ってんだ相手は一万はいるぞ、こっちの五倍だぞ。引くしかないだろ!」


 経丸は金崎にいい所を見せようと焦っていた。そのため戦わずに敗走するという選択肢は選べず


「引かない、私は戦う、たとえ一人でも‼」


 経丸は単騎で大山軍に向かって行った。


「おい、バカ‼」


 士郎は慌てて経丸を追いかける。片倉達も経丸を追いかけ天羽軍は大山軍に突撃することとなった。


 勢いのあった大山軍は自分達を見たら敗走するだろうと思っていた天羽軍が向かってきたことに驚きはしたが圧倒的な兵力差で天羽軍を返り討ちにする。


 大山は馬上で槍を振り回しながら


「ここに金崎軍はいない!こいつらは雑魚だ全滅させよ!」


 関東の暴走族と呼ばれている大山軍は一切攻撃の手を緩めない。


 天羽軍も奮闘するが大山軍との圧倒的な兵力差に壊滅寸前まで追い込まれていく。


 天羽軍が追い込まれれば追い込まれる程、経丸は顔を真っ青にしながら


 ヤバい、ヤバい!ヤバい‼


 経丸は自分の中のヤバいという気持ちを吐き出すように大声で「気持ちー‼気持ちー‼」と叫びながら突っ込んでいく


 士郎は片倉に


「このままじゃ全滅する、経丸を連れて逃げてくれ」


「士郎君は!」


「それがしはチビると海老太郎と共に殿を務めさせていただく」


「それなら、俺が殿をやるよ」


 士郎は真剣な目で片倉の目を見て


「片倉さん、ここは黙ってそれがしに任せてくれないか」


「わかった、頼んだ‼」


「じゃあ、殿を任せましたよ‼」


「士郎君こそ生きて帰って来いよ」


「当り前ですよ」



 士郎とこの会話を知らずに前線で敵を迎え討っている海老太郎率いる弓矢隊を置いて天羽軍は撤退を開始したのであった。 

 

士郎は海老太郎と合流し大山軍を睨みつけながら覚悟を込めた低い声で


「さぁ、やってやんよ、チビる修行の成果見せてやろうぜ」


「そうだな、士郎」


 士郎は大声で


「気持ちー‼気持ちー‼」


果たして士郎達は殿を務め上げ経丸を無事逃がすことは出来るのだろうか


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ