ターニングポイント第45話富士
片倉と武士疾風は富士山の前に着くと
「よし、今からここがお前の修行場だ」
「富士山ですよね。まさかここで山籠りするんですか?」
「違う、お前は今日から毎日富士山の山頂まで登るのを二往復するんだ?」
武士疾風の言葉に片倉は思わず笑ってしまい
「えっ、はい?富士山って日ノ本1高い山ですよ。その山を一日で二往復するのですか?」
「そうだ、大したことないだろ」
片倉は思わず笑いながら
「いや、いや、いや大したことありますよ。無理ですって」
武士疾風は片倉を睨み付けながら
「やるのか?やらないのか」
武士疾風の迫力に怯んだ片倉は
「わっ、わかりました。とりあえずやってみますよ」
片倉は渋々承諾した。
「よし、じゃあ俺に着いてこい」
「えっ、ちょっと待ってください。武士殿も登るのですか?」
「当たり前だろ。何でだ?」
「いやだって、武士殿はもう50代ですよ。それに教える側は登らず俺が降りてくるのを待ってるんじゃないんですか?」
「お前なぁ、自分がやらないことを教えるやつを信用できるか?自分も同じことをやって手本を見せるのが教育の基本だろ」
片倉はこの武士疾風の一言で完全に武士疾風に心を開き心のそこから
「武士殿、ご鞭撻の方よろしくお願いいたします」
「おう、気持ちのいいやつだな。付いて参れ」
武士疾風はそう言って行きなり走り出したので片倉は慌てて付いていった。
片倉はペースを全く落とさない武士疾風に
「えっ?こんな速いペースのまま登っていくんですか?」
「片倉、喋ると疲れるぞ。黙って着いてこい」
いや、いや喋らなくても疲れるから山登りって走るもんじゃないから
と思ったがそれを口にする勇気はなかった。
武士疾風と片倉は山頂に向けて全力で走り続けたが片倉は徐々にペースが落ちてきた。
無理だ、酸素も薄いしきつい、辛い、こんなの無理だ。これが後もう一回やるんだろ死んじゃうよ
「片倉、先を考えるな常に今だけを考えろ。この乱世先のことなどなんの保証もないのだから」
「はい」
片倉は素直に今だけを考え必死に全力で走り続けた。
「片倉、着いたぞ」
「えっ?」
「ここが山頂の神社だここに入る時は静かに入れ」
「はい」
二人は鳥居の前で頭を下げて入った。
「どうだ、ここが山頂だ」
「凄いですね。我々雲の上にいるんですね」
「後五分たったら下るぞ」
「えっ?五分!!もうちょっと休憩しないんですか?」
「そんな時間逆にあると思ってるのか?」
片倉は泣きそうな顔で呟くように
「あると思ってたんですけど」
武士疾風は強い口調で
「あるわけないだろ!!」
「そんなぁー、俺を殺す気ですかぁ」
武士疾風は笑顔で
「大丈夫だ、人は簡単に死なないから」
「いやでも」
「おっ、もう五分たった行くぞ。片倉」
「いやいや、まだ三分ですよ多分」
「五分だ、下るぞ」
「はい」
片倉はまた必死に武士疾風に付いていった。
しばらくすると
「片倉いったん止まれ」
「はい」
「ここは須走と言って凄い速度の出る砂の道だ。気をつけろよ」
「はい、わかりました」
武士疾風と片倉は颯爽と須走を駆け抜けていく。
「すげぇーめっちゃはえー気持ちーめっちゃー最高」
「おい、あんまり調子に乗って速度出し過ぎるなよ」
「はい、わかってます」
片倉はビュンビュン下っていくのが爽快で楽しかった。
これなら、武士疾風殿のことも抜けるな
片倉は調子に乗って速度を上げると
「ヤバい、ヤバいとまれなーい」
ずっさー
片倉は派手に転んだ。
武士疾風は呆れながら
「片倉、お前意外とアホなんだな」
片倉は恥ずかしさで思わず笑ってしまいながら頭をかいた。
無事下山すると
「うわぁー疲れた。もう無理」
「何言ってんだ後10分後にはもう一度山頂に行くぞ」
「えっー、後10分?」
「そうだ、じゃないと稽古の時間が無くなるからな」
「えっ、富士山もう1往復した後稽古するんですか?」
「当たり前だろ、日ノ本一の武将になるにはこれくらいはしないと」
片倉は思わず笑いながら
「そんなぁー無理だよー」
「はい、もう十分たった行くぞ」
「いやいや、絶対三分しか立ってないですよ」
「つべこべ言うな!付いてこい」
「この人鬼だ!」
片倉は辛い修行に付いていけるのだろうか




