ターニングポイント第44話帰城
「ただいま」
「お帰りなさい、稲荷さん士郎」
「はぁー疲れた」
「どうだったの修行は」
「疲れたよ、なぁチビる」
「ホントに疲れた。毎日毎日ボコボコにされて」
「そっか、二人ともよく頑張ったんだね」
士郎は偉そうにふんぞり返りながら
「本当だよ。ところで片倉さんは」
「片倉さんは山梨に修行に行ってる」
「えっ、なんで山梨?」
回想
武士疾風は川中島の戦いが終わった後片倉の事を思い出して
おい、あの男凄く強いんじゃないか。この俺が戦で初めて敵の刃が皮膚に当たったよ。
あの男面白そうだ。ぜひ俺が鍛えたい
武士疾風は松本に許可を取って天羽家の大多喜に単身で向かった。
武士疾風は大多喜城に着くと門番に
「松本家、家臣武士疾風だ。天羽津経丸殿にお会いしたい」
門番は武者疾風の迫力に思わず震えながら
「はい、わかりました今すぐ確認を取ってきます」
武者疾風は丁寧な口調で
「よろしくお願いいたします」
と頭を下げた。
「とっ、殿松本家の家臣武士疾風殿が門の前で経丸様に会いたいと申しております」
経丸はビックリしながら
「えっ?あの日ノ本一最強の武将、武士疾風さんが?」
「はい、そうです」
「私になんの用事があるのだろうか?私を殺しに来たのか?」
「とにかく追い払いますか?」
「いや、殿がお会いする前に私が会ってくる」
「大丈夫ですか?片倉さん」
「大丈夫です。用件を聞くだけなので」
「すみません、お願いします」
片倉は一人で武者疾風のところへ向かう途中
待てよ、そういえば俺武士疾風にボコボコにされたじゃないか
かっこつけて話を聞いてくるって言っちゃっだけど恐いなぁ。
片倉は体を震わせながら武士疾風の元へ向かった。
武士疾風はいきなり現れた片倉に嬉しさのあまり驚き
「おっ、早速会えるとは。とても嬉しいぞ」
片倉は警戒して腰にある刀に手をかけると
武士疾風は笑いながら両手をあげて
「違う、違うお前を殺しに来たんじゃないお前に会いに来たんだ」
「私に?あなたは殿に会いに来たんじゃないのですか?」
「経丸様にはお前の居場所を聞きたかったんだ」
「私に何のようですか」
「単刀直入に言うお前を日ノ本一の武将に育てたい」
「えっ?なぜ他家の家臣の私を?」
「今まで戦った敵の中でお前が断トツで一番強かった」
「いや、私は武士殿にボコボコにされたんですけど」
「俺は70戦以上戦に出ているが今まで一度も敵の刃が俺の皮膚に当たったことはなかったがお前は俺の頬に刃を当て血を流させたそれは凄いことだ」
「いや、まぐれで当たっただけですよ」
「まぐれで敵の刃が当たるほど俺は弱くない」
片倉は慌てて
「すみません、そういうつもりでは」
「まぁ、お前は強いそして人格者だ。お前は日ノ本一の武将になる義務がある」
「でも」
「俺は強い武士が好きなんじゃない。人を守るために刀を振れる心優しき武士が好きなんだ」
「えっ、なぜ私が人のために刀を振っていると思われるのですか」
「お前はあの時迷わず俺に立ち向かった。普通の人間なら躊躇する場面だ。でもお前は日頃から人のために刀を振っているからあの場面で迷わず立ち向かえた。それだけでお前は最高の武士に値する」
片倉はニヤニヤしながら
「そんな褒められても照れちゃいますよ」
「お前、照れると可愛いな」
二人は笑いあった。
回想終わり
「ってことで片倉さんは山梨に修行に行ったんだよ」
士郎は驚き大きな声をあげて
「えっ、敵のところで修行に行ってて大丈夫なの?騙されて殺されたりしてない?」
「大丈夫だよ、たまに手紙来てるから」
「あー、そうなのそれならいいけど」
「まぁ、今日はゆっくり休みな」
「わかった」
士郎と稲荷はゆっくり休むのであった。




