ターニングポイント 第38話激戦
妻女山にドドドドドと大きな足音が近づいてくる。
「来たぞ、海老太郎」
士郎の言葉に海老太郎は
大声で
「構えてくださーい‼」
松本軍の別働隊の騎馬隊がどんどん近づいてくるが海老太郎は冷静に大きな声で
「引き付けてくださーい‼」
海老太郎はタイミングをはかって腕を大きく振り騎馬隊を指さして大きな声で
「今だ、放てー‼」
海老太郎率いる弓矢隊は一斉に矢を放ち敵兵を討ち取って行くがいきなり50代位の体格のよい男が現れた。その男こそ日ノ本一、最強の武将、武士疾風だ。
武士疾風の登場により状況が一変した。
最強の武将、武士疾風が馬に乗りながら片腕で大長刀を振り回し一気に海老太郎率いる兵をなぎ倒し怒鳴るような声で
「一気に踏みつぶせー!」
金崎、天羽連合軍の兵達は武士疾風の圧倒的な強さを見せつけられて誰もが
こいつが日ノ本一の武将、武士疾風か格が違いすぎる。
この状況で片倉は冷静に
「全軍撤退せよ」
金崎、天羽連合軍の兵達は金崎に戦が始まる前にまんがいち武士疾風が現れたら速やかに撤退せよと命令されていたので片倉の指示で速やかに撤退を開始したが武士疾風の圧倒的な強さを目の当たりにした士郎は
ヤバい強すぎる、人間じゃねぇ
恐怖でおしっこを漏らしながらその場で腰を抜かして立てなくなっていた。
腰を抜かして動けなくなっている士郎を見つけた片倉は
ヤバい、このままじゃ士郎が討ち取られる。
片倉は速やかに士郎の前に行き馬に乗って向かってくる武士疾風に斬りかかった。
勝負は一瞬でついた。
武士疾風は斬りかかってくる片倉を目には見えないくらい速い槍さばきで返り討ちにし片倉はその場で全身から血を吹き出しながら倒れ混んだ。
武士疾風は片倉を斬り倒してすぐ金崎国子がここにいないことに気づき
ヤバい、お屋形様が窮地に陥った。
味方に向かって
「ここに金崎国子はいない!!急ぎお屋形様の元へ向かうぞ」
松本軍は何がなんだかよく理解しないままとりあえず急いで武士疾風を追いかけた。
腰を抜かしていた士郎は慌てて片倉の元にかけより
「片倉さん!!大丈夫ですか片倉さん!!」
片倉は必死に声を絞り出して
「大丈夫だ、問題ない」
士郎は慌てて片倉の体から吹き出している血を出血した。
連合軍の撤退を確認した稲荷は人をかき分けながら最短距離で金崎国子の元に行き撤退したことを伝えに向かった。
その頃金崎と経丸は松本軍の本陣を突破し
遂に二人の前に松本徳博の姿があった。
「よし、松本徳博覚悟―‼」
金崎は思いっきり刀を振りかざし椅子に座っている松本めがけて振り下ろした。
松本は間一髪で軍配で刀を受け止めたが軍配は金崎の力に負けて飛んでいった。
しまった
「とどめだぁー‼」
グッサ
「あっ」
金崎は思わず声を出した。
「お屋形様、これが我の責任の取り方です」
金崎の刀が貫いたのは家臣の保守幹介の体だった。
「我をここまで雇ってくださりありがとうございました」
「幹介―‼」
保守幹介は最後の力を振り絞り金崎の馬を刺しその場で倒れた。
刺された金崎の馬は暴れだし金崎は刀を落とした。
その隙に松本は金崎の刀を拾い上げた。
「経丸さん、刀を貸してください」
経丸と金崎の間に割って入るように息を切らしながら勢いよく駆けつけてきた稲荷が
「金崎殿と殿、別働隊が迫って来てます」
経丸と金崎の目線の先には金崎軍を蹴散らして向かって来る武士疾風を先頭とした騎馬隊の姿があった。
武士疾風は怒鳴るように大声で
「お屋形様―‼今お助けしまーす‼」
松本は少しほっとした表情で
「おー武士」
「経丸さんもはやこれまでです、引きましょう」
「はい」
金崎は妻女山から全力で駆け抜けて情報を提供してくれた稲荷のおかげで判断が早かったこの判断が遅かったら退路を失い金崎と経丸は命を落したであろう。
天羽、金崎連合軍は撤退した。
凄い、これが戦なんだ。やはり金崎様は凄い我ももっと強くなって金崎様みたいになるぞ
経丸は金崎の背中を見ながら決心したのであった。
この戦は引き分けに終わったが金崎軍三千
松本軍四千五百の死者を出した。二十五%も死者を出す異例の戦いとなった、この戦により両軍の兵力は大きく削られたのであった。
引き上げる金崎軍を松本軍は追わずに川中島で勝どきを上げた。
引き上げた金崎、天羽連合軍の本陣は無事に士郎達と合流しひとまず金崎家の領国新潟の春日山城に天羽、金崎連合軍は撤退したのであった。
両雄の決戦はこれにて終焉したのである。
この戦で経丸は金崎国子に圧倒的な強さを目の前で見せつけられて士郎達は日ノ本一最強の武将、武士疾風の前に手も足も出なかった。




