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ターニングポイント 第29話看病

宿が並ぶ街のその中の一番小さく吹けば飛ぶような宿の畳四畳の部屋で士郎は咳き込みながら寝ているのである。

 

苦しい、息苦しい久しぶりの喘息だな少し

油断していたな

 

経丸は隣で発作の出た明け方の四時から心配そうな顔をして優しく士郎の背中をさすってくれていた。

 

凛とひのが士郎の部屋の戸を開けて


「殿、お昼の食材買って来ましたよ」


「ありがとうございます」

 

「凛ちゃんとひのちゃん看病は私に任せてせっかくこの辺美味しいお店が多いから外で食べて来なよ」


「経丸さん一人に兄貴を任せるのは悪いですよ」

 

ひのも同調するように


「悪いですよ、私が看病しましょうか?」


「凛ちゃんとひのちゃんに士郎の風邪がうつると大変だから私一人で看病するよ」

 

凛は経丸の思いに気づいたがひのは気づかず


「えっ?でも士郎さんの喘息ってうつる病気では」

 

とひのが最後まで言い終える前に凛が


「わかりました、経丸さんすみません兄貴をお願いします」


 

そう言ってひのを外に連れ出したのであった。

 

凛とひのはお店を探しながら


「凛ちゃん、殿と士郎はなんだかんだ仲良しだね」


「あの二人くっつかないかなぁ」


「凛ちゃんは殿と士郎さんにくっついてほしいの?」


「まぁねぇ、あんな兄貴じゃ他の女の人は誰も面倒見てくれなさそうだし押し付けるみたいで経丸さんには悪いけど」


「確かに余計な一言多いからね」

 

凛は笑いながら


「ひのちゃん、言うねぇ」

 

ひのは焦りながら


「いや、そんなつもりじゃ」

 

凛は笑いながら


「まぁ、あの兄貴は体も弱いし頭もよくないし余計な事ばかり言うし」

 

凛は真剣な顏になり


「でもねぇ、優しんだあの兄貴。乱世を生き抜くには一番必要ない能力かもしれないけどあの優しさは私は必要だと思うな」


「そうですね、私もそう思います」


「だから、兄貴には幸せになってもらいたいな」


 ひのは優しい表情で


「士郎さんと殿、くっつくといいね」


 凛は笑顔で

 

「うん、そうだね」

 

二人は会話を弾ませながら店に入って行ったのだった。


 


その頃経丸は


「士郎、お粥ができたよ」

 

士郎の前に置かれたお粥は綺麗な見た目の食欲をそそるものだった。


「おっ見た目はいいね」


「食べてみなろよ」

 

士郎は一口食べた


「うっ、うまい」


「私、士郎にご飯をいつでも作ってあげられるように練習してたから、まぁ最初がお粥になるとは思わなかったけどね」


「悪かったな、喘息の発作起こして」

 

経丸は少し顔を赤くしながら


「ねぇ、士郎普通に食べても面白くないからあ~んしてあげよっか」

 

士郎は顔を真っ赤にして慌てながら


「何言ってんだよ」


「ごめん、冗談だよ」


「でも一回くらいならやってみても面白いな」


「なんだ、士郎やってほしいなら最初から素直に言えばいいのに」


「いや、経丸がやりたいっていうからやってあげようと思って」


「まぁ、いいやとりあえずやってみよ」


 経丸はスプーンでお粥をすくって


「いくよ」


「おー、こい」

 

士郎は近づく経丸の顔を照れてしまい自然と目をつぶった。


「士郎、目をつぶったら私から士郎にキスするみたいじゃん」


「うるさい、それがしは目をつぶって食べてみたいんだ」

 

経丸は緊張で少し震える手でお粥を士郎の口に突っこんだ。


「あっつー‼アッツー‼水‼水‼」

 

経丸は慌てて水を渡そうとして手が滑り士郎の頭から水をかけてしまった。


「つめてぇー!つめてー」

  

士郎のリアクションに経丸は思わず笑ってしまった。


「おい、何笑ってんだよ」


「ごめん、おかしくてつい」


「だいたいお粥を冷まさずにそのまま口に突っこむ奴がいるか」

 

「ごめん、初めてだからそんな怒らないで」

 

士郎は真剣な顏で


「じゃあ、もう一回やろ」


「えっ、もう一回?」


「今度はちゃんとそれがしも目あけるから」


 経丸も真剣な表情で


「わかった、やろう」

 

経丸はお粥をスプーンですくって


「経丸、冷ますんだよ」


「わかった」

 

経丸はふぅーふぅーとお粥を冷ますその姿を見ている士郎は

 

可愛い、経丸めちゃ可愛い

 

士郎は心臓をバクバクさせる


「士郎、あ~ん」


 士郎が顔を真っ赤にしながら大きな口を開けるといきなり戸が開き


「ただいま・・・」

 

いきなり帰って来た凛とひのを見て士郎と経丸は固まった。

 

凛は真顔で


「ビショビショになりながら何やってんの?」

 

士郎は慌てながら


「お粥食べてただけだから」


「ひのちゃん、経丸さんと兄貴はもう恋人関係になったらしいね」


「そうですね、邪魔しちゃ悪いから席外しますか」

 

士郎と経丸は慌てて


「待って、違うこれは違うんだから」


「そうですよ、凛ちゃん、ひのちゃん違うんだよ」

 

凛とひのは笑顔で声を合わせて


「応援します!」

 

士郎と経丸は声を揃えて叫ぶように


「だから恋人とかじゃないからー‼」

 

士郎はこの後濡れたのと叫んだのが原因で喘息を二週間もこじらせるのであった。










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