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ターニングポイント 第157話臆病

士郎と勤勉が大阪城の廊下を歩いていると

後ろからガラの悪い豊影の家臣達五人が

「おい、お前ら太閤殿下に北海道出兵を中止するように言ったんだって」

 勤勉は男達を睨み付けながら

「言ったが」

「お前ら武士の癖に戦が恐いのか。よっぽどの腰抜けだな」

 勤勉は吐き捨てるように

「俺は無駄な戦は好まない。北海道出兵に大義名分はあるのか」

「お前、太閤殿下の戦を無駄な戦と申すのか」

 一触即発の雰囲気に士郎は慌てて間に入り

「いやぁ~あなた方の言う通りそれがしらは臆病者なんですよ」

 この士郎の言葉を聞いて勤勉は士郎を睨み付ける。

「お前ら臆病者か。どいつもこいつも弱そうだもんな」

「はい、そうですね。ではそれがしらはこれで」

 士郎は丁寧に頭を下げて勤勉を引っ張ってその場を去ったのであった。

「おい、あいつらマジでムカつくな!」

 怒っている勤勉に士郎は笑いながら

「お前はバカかあんなクズ共にいちいち腹を立てる必要ないだろ」

「いやだって、あいつら・・」

 士郎は勤勉の言葉を途中で遮って真剣な表情で

「戦でぶっ潰せばいいだけだろ」

「そうか、戦でぶっ潰せばいいのか」

「此度の戦でクズ達をまとめて退治してやろうぜ‼」

「そうだな」

 士郎と勤勉は固い握手を交わしたのであった。

 士郎は部屋に戻ると

 自分宛てに

「話がある俺の部屋まで来い。豊影より」

 と書かれている手紙が置いてあった。

 豊影から手紙?まさか反乱を起こすことがもうばれたのか?

 士郎は体中から血の気が引き青ざめた表情で

 ヤバいな。これはヤバい!本当に反乱を起こすことがばれているなら間違いなく勤勉や大和、武士勇にそれがしは死刑だ。どうしようこのままこの手紙を見なかった事にするかいや、ここはそれがし一人で豊影と話をして何とか誤魔化すしかないな


 心の中で「気持ちー‼気持ちー‼」と叫び

覚悟を決めて豊影の部屋に向かった。

 豊影の部屋に行くと豊影は部屋にいず

 人を呼びつけて置いて不在ってどういう事やねん

 と思っている士郎に豊影の家来の者が

「何か太閤殿下に御用ですか?」

「はい、太閤殿下に呼ばれたのでここに来たんですけど不在なら出直してきます」

 家来は丁寧な口調で

「じゃあ、太閤殿下が戻ってきたら士郎さんの部屋に行きお伝えしますよ」

「えっ、わざわざいいんですか?」

「いいですよ」

「ありがとうございます」

 士郎が豊影の部屋を後にして十五分後に家来が呼びに来てくれたのであった。

 士郎は豊影の前に行き緊張で全身を震わせながら豊影に

「太閤殿下、それがしに話とは何の話でしょうか」

 豊影は真顔で

「は?」

 自分が想像していなかった豊影の反応にかなり驚きながらも

 この猿あまりにもバカすぎてそれがしを自分で呼んだこと忘れたのか?

 と思いながら

「太閤殿下、この手紙を見てください」

 手紙を読んだ豊影は真顔で

「こんな手紙、俺は知らんぞ」

 えっ?えっ?何なの?どういう事?

 と内心動揺しながらも必死に動揺している事を悟られないように

「そうですか?わかりました。何もないなら大丈夫です」

 士郎をわざわざ呼びに来てくれた者は士郎と豊影のやり取りを見て思わず士郎に

「えっ?」

 士郎も訳が分からないので

「えっ?」

 と言い返すことしか出来なかったのであった。

 この士郎の行動を武士勇は陰から見ていてクスクス笑っていたのであった。


 家来は去って行く士郎を見つめながら

 士郎ってかなり頭のおかしい奴なんだな

 士郎は部屋に戻ると武士勇がニコニコしながら

「豊影は元気だったか?」

「何でそれがしが豊影の部屋に行った事を知っているんだ?」

「だって、士郎が手に持っている手紙俺が書いた物だもん」

「はっ?お前まさか」

 勇は大笑いしながら

「騙された?俺のいたずらに」


 全てを察した士郎は

「てめぇ!ふざけんなよ!」

 士郎は武士勇に殴りかかりながら

「作戦がばれたのかと思ってそれがし全身から血の気が引いたんだぞ」

 勇は笑いながら

「士郎は相変わらず臆病だな」

「臆病とかそういう問題じゃないだろ!」

「まぁ、まぁ。これで少しは臆病が治るだろ」

「ふざけんな!馬鹿野郎‼」

 大笑いをし続ける武士勇を

士郎はしばらく殴り続けるのであった。






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